見出し画像

新年のご挨拶〜代表取締役社長より〜

新年、明けましておめでとうございます。旧年中は、弊社サービスをご愛顧頂き、誠にありがとうございました。本年も社員一同、皆様にご満足頂けるサービスを心掛け邁進してまいります。これまで同様のご愛顧を賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます。

経済環境

ワクチン接種の進捗に歩調を合わせた経済活動再開により、また各国政府により表明された17兆ドルにも上る積極的な財政措置を足がかりに、世界経済は感染拡大による混乱からの急回復期を経て、徐々に正常な拡大基調に回帰しつつあります。一方、引き続き様々な分断が世界経済の不確実性を高める大きな要因となっています。
IMFによると、2021年の世界経済成長率は5.9%、2022年については4.9%と予測されています。

・・・

新型コロナウイルスの発生から2年が経過する今もなお、断続的な感染拡大が世界経済の正常化を妨げる最大の不確実性であることに変わりはありません。そしてそのリスクファクターとして、ワクチンへのアクセスの地域差が懸念材料となっています。多くの先進国では必要回数のワクチン接種率が60〜70%に達する一方、体制や資金面での問題から低所得国ではワクチン接種に遅れが目立ちます。低い接種率が新たな変異を生み出す温床になっているとの見方もあり、地域差拡大の放置は各国での感染防止策を阻害しかねません。自国第一主義的なものだけではなく、地域差を是正するような包摂的な支援策が求められるところです。

また、各国の政策余地の観点でも、地域差が拡大しつつあります。先進国では引き続き積極的な財政政策が経済を下支えしています。それらは短期的・直接的な支援策だけでなく、新しい経済構造(デジタル経済、グリーン経済)への移行推進や社会課題の解決を目指すものも含まれ、中長期的に持続可能な経済発展に向けての財政ツールとしても期待できるものです。例えばIMFによると、EUや米国の大規模パッケージが完全に実施された場合には今後5年間で世界GDPを4.6兆ドル押し上げる可能性があると推定されます。
一方で、新興国ではそもそも限定的であった財政政策余地に加え、経済活動再開の遅れ(歳入回復の遅れ)やインフレ対応のための利上げ(借入コスト上昇)などにより、本来必要とされる政策支援が早くも縮小されつつある状況です。

・・・

物価動向に目を向けると、多くの国が政策目標を上回るインフレに直面しています。経済活動再開による個人消費や在庫積み上げなど好調な需要サイドに対し、物流の混乱や不足する材料・労働力など供給サイドの制約が重なったことや、エネルギー価格の上昇が背景です。今後、一過性の供給制約は徐々に解消に向かうとみられますが、新しい経済構造(デジタル経済、グリーン経済)への移行コスト的な性質を持つ要素等については不確実性が大きく残ると思われ、インフレ期待を不安定化させる要因にもなりうるでしょう。
また、異常気象などを要因に食糧価格も高騰しており、消費全体に占める食糧・エネルギーの割合が大きい低所得国にとって問題となっています。さらに、そうした国々の一部では、緩和的な金融政策が通貨安(輸入物価上昇)を招いたことが問題を深刻化させました。貧困層の拡大、社会不安の増大にもつながりかねず、これもまた懸念すべき地域差の一つです。

こうして高まるインフレに、先進各国中央銀行はテーパリング、そして利上げと、危機対応モードの金融政策からの転換を図りつつあります。景気下支えとインフレ抑制のバランスを高度に維持すべく、透明性の高い政策運営が求められるところです。一方で途上国では既に利上げで対抗していますが、先進国の政策転換により、今後の政策運営にはインフレだけでなく通貨防衛の観点も求められます。また国によっては過剰政務問題も重なり、金融政策運営における自由度や自律性にも地域差が目立ち始めています。

こうした様々な地域差は、世界経済の拡大プロセスを不均一で調和の取れないものにする可能性があります。IMFによると、先進国では2022年にも総生産がパンデミック前のトレンドに戻るとみられる一方、発展途上国では大きな遅れが生じると予想されています。こうした足並みの乱れは貿易環境やサプライチェーンの回復を遅らせ、世界経済全体の足枷になりかねません。

・・・

ところで、いま我々が直面する課題は、コロナ禍以前からの構造的なものも少なくありません。米中関係もその一つでしょう。バイデン政権では多国間主義への回帰が掲げられていますが、中国への強硬姿勢は変わらず、米中の分断はさらに深まりつつあります。貿易戦争で表面化した両国の対立は、半導体や通信規格、AI技術などの覇権争いに広がり、いまでは国家体制までもが問題にされています。また、両大国の対立の激化は東アジア地域での地政学的な緊張を高めています。
しかし一方で、両国経済は強い相互依存関係にあり、米ソ冷戦時代のように全ての要素が分断されることは現実的ではないでしょう。今後は、分断され分極化される領域と、協調や競争がなされる領域が併存する可能性が高いと思われます。例えば、協調すべき領域の一つは気候変動でしょう。昨年を振り返ってみても、世界各地で異常気象が猛威をふるい、問題の深刻さは増すばかりです。そうしたなか、中国が排出量削減計画を明示し、COP26では米中が共同宣言を発表するなど、協調に向けての明るい兆しもみられました。

米中間のみならず、各国の政策の出口戦略、ワクチンの普及、過剰債務問題、エネルギー政策、気候変動や巨大IT企業と政府との関わりなど、国際協調が強く求められる課題は山積しています。こうした課題の解決に向けた取り組みにおいて、国際的もしくは国内の分断により多国間連携の枠組みや国際機関が十分機能しない可能性は、いま世界が抱える最も深刻な懸念材料の一つです。


投資に求められる要素

このように今年も、世界経済に影響を及ぼすと考えられる懸念材料には事欠かず、またそれぞれが相互に作用する複雑な経済環境になると考えられますが、我々はどういった環境においても、以下の「投資の基本」を実践し続けることが大切だと考えています。

・適切なリスク・コントロール
・幅広い資産クラスへの分散投資
・投資タイミングの分散(積立)
・長期投資

THEOはまさにこの「投資の基本」を実践するためのサービスです。

「投資の基本」の実践。それに加えて我々が目指すのは、「お客さまに寄り添う」サービスです。その実現にはカスタム性が重要な要素です。規格化された商品だけでは、お客さまのニーズの時系列的変化や多様性にお応えすることはできません。
カスタム性の強化拡充の一環として、昨年、お客さまの「資産形成」と「社会課題解決への取り組み」を重ねるサービスの第一弾:THEOグリーンをローンチしました。今後も、お客さまが保有される資産/負債全体を対象とするサービス、老後資金を念頭に置いた資産形成だけではない幅広いお金の悩みをサポートするサービス(ゴール投資)など、さらに一層柔軟にお一人おひとりに最適な資産運用をお届けすることを目指してまいります。

ところで、お客さまへの寄り添い方も様々です。カスタム性の提供によって、ライフステージの変化に寄り添うこと、ライフスタイルの多様性に寄り添うこと。そして、もう一つ。お客さまの家計ポートフォリオ/金融取引の全体に寄り添うこと。その実現には、他金融サービスとの連携強化が重要な要素です。
多くの金融サービスのデジタル化(縦につながるイノベーション)がなされたいま、サービス間の連携とデータ活用といった横につながるイノベーションは、さらなる利便性向上に欠かせません。個別の部分的サービスではなく、マルチ型サービスによる包括的なソリューションは、新たな価値創造の方向性であり、今後のフィンテックの潮流になるだろうと考えています。

お金のデザインでは本年も社員一同、皆様のご期待に沿えるサービスの実現を目指してまいります。引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが、今年一年の皆さまのご多幸をお祈りして、新年のご挨拶とさせていただきます。

・・・

THEOの運用については、「THEOの仕組み」をご覧ください。
運用方針、運用モデルについて、詳しくは「THEOホワイトペーパー」をご参照ください。

株式会社お金のデザイン
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2796号
加入協会:一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人投資信託協会
リスク・手数料の詳細はこちら

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!