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2019年の振り返り

こんにちは、投資プラットフォーム責任者のスチュアートボックス マットです。

2019年は、世界的な経済成長の鈍化と政治的リスクに対して懸念が高まっていたにも関わらず、多くの金融市場が上昇した年でした。しかし、今年得た利益を、来年の継続的な市場成長に向けて資産配分するか、それとも不況に備えるかについて、数多くの投資家は悩んでいるところです。
2019年も終わりに近づきましたので、今年のマーケットを動かした主な要因と、それらがTHEOの実績に与えた影響を振り返りたいと思います。

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次の表は2018年12月31日から2019年12月11日までの、主要なマーケット指標の変化を示すものです。

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このデータからは、今年の特色がわかります。
株式市場の上昇、米国金利の低下(それに伴う債券価格の上昇)、コモディティ価格の上昇、そして全体的なボラティリティの低下が印象的です。しかし、この楽観的な見方の裏には、経済のファンダメンタルズやリスクの根底に、あるいくつかの変化がありました。

1. 世界的な経済成長の鈍化

世界の経済成長率は、2018年の3.55%から2019年の2.91%に低下し、OECDは政府の協調行動が取られない限り、今後2年間の経済成長率は約3%にとどまると予想しています。

減速の幅は世界中の様々な地域で見られると予測されています。OECDは、経済成長が米国で約2%、ヨーロッパで1%、日本で0.55%まで減速すると予測しています。また、中国の成長は年毎に減速しし、6%未満になると予想されています。

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この減速は、中央銀行の行動に反映されています。 2018年、米国連邦準備制度理事会(FRB)は、米国の労働市場の強さとインフレ期待により、金利を4回引き上げました。しかし、2019年には、潜在的な減速に懸念があり、FRBは下半期に2008年以来の利下げを3回行いました。 このFRBの姿勢の変化により、一部の投資家が経済的リスクに注目しましたが、多くの投資家はFRBが市場と経済拡大を支持したとして受け入れました。

また、大半の投資家は、この減速を予測へ織り込んでいるようです。以下のグラフは、米国のシティグループの経済サプライズ指数と呼ばれるもので、実際の経済データが市場の期待よりも良いか悪いかを意味します。グラフを見てみると、年初の時点で指数は予測に近いデータを示していましたが、その後指数は徐々に低下し、第2四半期と第3四半期はほとんどでマイナスでした。それ以降、指数は徐々に回復し、予測をわずかに上回るデータを示しています。

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経済予測は米国の景気後退を示すものではありませんが、個人投資家はこのリスクをより懸念しているようです。下のグラフは、2004年以降の「Recession/不況」という言葉に対する米国でのグーグル検索の件数を示しています。2018年に徐々に増加し始め、8月に2008年とリーマンショックと同水準の検索数に増加しました。

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2. 政治的リスクの高まり

政治的リスクに対する懸念は2019年も引き続き高まっています。欧州では、Brexitのタイミングと影響に関する不確実性が経済成長に影を落とし続けています。米国では、弾劾の調査、トランプ大統領の予測困難な行動、2020年の大統領選挙、及び継続的な米中貿易摩擦により、リスクは引き続き上昇しました。

また、2019年3月から、香港での民主化デモが始まり、香港経済への影響や中国まで混乱が広がる懸念が高まりました。或いは、サウジアラビアで起きた世界最大の石油加工施設へのドローン攻撃により、市場では中東における継続的な紛争と世界の石油供給に対するリスクが注目されました。

市場への影響は?

経済見通しの鈍化と政治的リスクの高まりにもかかわらず、多くの市場は2019年に好調に推移しました。以下のグラフは、2019年の株式およびコモディティ市場のパフォーマンスを示しています。株式市場は2018年に急激な下落がありましたが、2019年第1四半期は好調で、米国連邦準備制度理事会からハト派的なコメントを受けて反発して上昇しました。また、夏の間に多少の低調があった後、株式市場は第4四半期に再び上昇しました。予想を上回る米国企業の利益成長、米国の利下げ、および新しい米中貿易協定の見通しが市場の支えになりました。

今年最も弱かった主要な株式市場は香港でした。民主化デモによる混乱の経済への影響に対する懸念により、香港株式市場は小幅上昇にとどまりました。

コモディティ市場では、地政学的リスクの上昇と、量的金融緩和政策に戻る中央銀行の姿勢を受けて、金は2019年に好調でした。原油価格は変動幅が広く、第1四半期は力強い伸びを見せ、そして需要の見通しが弱まったため下落しました。9月にサウジアラムコの石油加工施設に対するドローン攻撃の後、石油価格が一時的に高騰し、世界の石油供給の混乱と中東でのリスクが強調されました。

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下のグラフは、国債と為替の年間のパフォーマンスを示しています。ここでは、7月31日以降、米国連邦準備制度理事会が3回に金利を引き下げており、金利が徐々に低下しているため、債券の価格が上昇しています。ヨーロッパでも金利は低下し、ドイツ10年国債の利回りは3月からマイナスになりました。社債については、投資家がより高い利回りを求めているため、信用スプレッドが縮小しており、これにより社債価格がさらに押し上げられています。 2019年の為替相場は比較的穏やかで、ドル円レートは110円水準を維持しました。

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THEOへの影響

次のグラフは、過去4年間のTHEOの各機能ポートフォリオの実績(注1)です。2018年は前述の市場要因を含む環境下で、マイナスの実績となっていますが2019年には大幅に回復しました。

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資産形成で基本となるのは、長期で投資を行うということです。また「分散」「積立」も重要な要素です。

THEOのポートフォリオは、最大30種類以上のETFから構成し地理的分散・アセットクラスの分散を行っています。個別株や単一の金融商品に投資するよりも下落リスクが少ないと言えます。さらに毎月の積立をすることで、金融商品価格が下落した際にも購入を継続することができます。定期的に一定額で購入していくことで、安値のときは多く、高値のときはに少なくETFを買い付けることになり、長期的に見ると安定した資産の形成に繋がります。
来年の市場の動きを予測することは非常に困難です。経済見通しの悪化と政治的リスクの増加が金利の低下によって相殺されているため、現時点では特に困難です。現在の市場アナリストは、2020年に米国株式(S&P500)は5%上昇すると予測していますが、予測のばらつきは通常より大きいです。
ただ、長期の資産運用という視点では、短期的なボラティリティを過度に懸念したり市場のタイミングを計ろうとしたりしないことが重要だと言えます。

そして「長期」「分散」「積立」を軸とした投資を継続することが、資産形成のための最善の方法と言えるでしょう。

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<注1>
*期間 2016年:2016年2月19日〜12月31日、2017年:2017年1月1日〜12月31日 、2018年:1月1日〜12月31日 、2019年:1月1日〜11月30日*上記の各機能ポートフォリオのパフォーマンス及び運用状況に係るコメントは、2016/02/19- 2018/12/21の弊社モデルポートフォリオのものです。モデルポートフォリオは、THEOの運用方針に基づき、弊社が実際に運用しているものです。各機能ポートフォリオは、300万円以上の資産残高となっています。モデルポートフォリオのパフォーマンスは、配当再投資、運用報酬控除前、税金・取引手数料控除後で計算されています。THEOのお客様のポートフォリオのパフォーマンスは、運用報酬控除後、取引手数料は無料で計算されます。また、月中の入出金や資産残高によっても、そのポートフォリオはモデルポートフォリオとは異なりますので、その運用結果は同一とはなりません。その旨ご留意ください。

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