THEOの運用開始からのリターン推移とリスクについての考え方(後編)
2022年の振り返りとして、前編の記事では、2022年のリターンの推移をみていただき、通貨を分散させること、長期投資をすることの意義についてご説明してきました。
後編では、パフォーマンスが停滞しているときの考え方と行動についてご説明します。
お客さまの不安な気持ちに寄り添いながらも、適切にご判断いただけるような情報をお伝えしたいと考えています。
これまでのリターン推移とリスクについての考え方
THEOのサービスは2016年2月から始まり、7年弱の期間運用を続けてきました。
ポートフォリオの種類は231通りのパターンがあり、各機能ポートフォリオ(グロースポートフォリオ、インカムポートフォリオ、インフレヘッジポートフォリオ)の割合が異なります。
機能ポートフォリオの値動きはそれぞれに特徴があり、異なる動きをしますので、リターンにも差が出ます。(前編の記事を参照)
そのため、2016年から現在に至るまでのリターンは、ポートフォリオによって差が出ています。
THEOが提供している231通りのポートフォリオのリターンの推移(イメージ)については以下のグラフをご参考になさってください。
【THEOの運用開始来のリターンの推移】
代表例として、231通りのうち3つのポートフォリオ(A、B、C)のリターン推移をご紹介しています。3つを比べると、Aは運用開始来から見ると最もリターンが高く、Bは平均的、Cは最も低いリターンと言えるでしょう。
実は、Aのポートフォリオは、2022年の1年間だけで見ると最もリターンがマイナスになっています。
また、2016年2月~2022年12月までの中で最も下落の幅が大きかったのは2020年2月から2020年3月(2か月間)ですが、Aのポートフォリオは下落幅も大きくなっています。
つまり、ハイリスク*ハイリターンのポートフォリオだということが言えます。
一方、Cのポートフォリオは、2022年はリターンがプラスという結果でした。
また、2020年2月から2020年3月(2か月間)の下落幅は他のポートフォリオに比べて小さくなっています。
つまり、ローリスクローリターンのポートフォリオということが言えます。
このように、長期的にリターンが大きいポートフォリオでも、1年などの短期で見るとリターンがマイナスになっているということも、資産運用の世界ではあることなのです。
資産運用をするとき、より多くの収益を得たいと考えるのは一般的でしょう。
しかし、多くの収益を得るには高いリスクをとる必要があります。
THEOでは、リスクに対する考え方をお客さまのご判断におまかせするのではなく、お申込み時にご回答いただく質問の回答で判断しています。
年齢、就業状況、金融資産額に応じておすすめのポートフォリオを決めています。
どのポートフォリオが良い・悪いというものはなく、ご自身の運用目的や生活などに合ったポートフォリオで、できるだけ長期で運用を続けて行くことが重要なのです。
リスクについての考え方については、別のブログ(リスクとリターンの関係とは?)でご紹介していますのでご参考になさってください。
投資の基本「長期・積立・分散」
資産運用を始めて運用成績を日々見ていると日々の値動きや相場の変動に一喜一憂しがちです。1年を通じて思ったように収益が出ていないと、不安に感じる方も多くいらっしゃいます。
しかしながら資産運用において1年という期間は「短期」といわれます。特にTHEOのような長期を基本とした資産運用の成果を判断するには、充分な時間ではありません。
このブログの最後に、投資の基本である「長期・分散」の重要性についてご理解いただくために、代表的な資産の年次リターンをランキングにした図をご紹介いたします。
【過去10年間の各資産のリターンランキング(2013年~2022年)】
この図を見ていただくとわかる通り、市場環境は変化するため、個別の資産の順位の変動には規則性がなく、リターンのランキングで上位となるような魅力的な資産をずっと選び続けることは非常に難しいことが分かります。
だからこそ、分散投資をすることによって各年の変動幅を抑え、下落リスクを抑制することが重要なのです。
THEOは、お客さまの属性(年齢、就業状況、金融資産額)にあったポートフォリオをご提案しています。
最も収益の高いポートフォリオを選ぶのではなく、お客さまの状況に合わせて適正なリスクでメンテナンス(リバランス)しながら運用を継続するのが、安定した資産形成につながります。
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THEOの運用については、「THEOの仕組み」をご覧ください。
運用方針、運用モデルについて、詳しくは「THEOホワイトペーパー」をご参照ください。