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ESG投資家になろう-ポストコロナ時代に重視される社会的価値-

本記事は、お金のデザイン研究所所長、東京都立大学特任教授/京都大学客員教授の加藤康之氏による寄稿記事です。

はじめに

世界がコロナ禍に襲われてから1年近くが過ぎました。マスクやテレワークなどコロナは私達の日々の生活を大きく変えてしまいましたが、経済の仕組みや価値観まで変えようとしています。

少し大げさな言い方をすれば、ポストコロナの時代はポスト資本主義の時代に入るだろうと考えています。ポスト資本主義では、企業は時価総額という株主にとって重要な金融的価値だけでなく、顧客・地域社会・自然環境・従業員など株主以外の関係者(ステークホルダーと呼びます)にとって重要な「社会的価値」にも配慮することになるでしょう。そして、ポスト資本主義時代における資産運用の主役の1つが、この社会的価値に着目した「ESG投資」になることは間違いありません。

ESG投資の意味と意義

お気づきの方もいると思いますが、11月からTHEOのグロースポートフォリオに、新しいETF(SUSA米国ESG株式※)が追加されました。このESG株とは、まさにESG投資の条件を満たした株式ETFのことです。THEOに投資しているあなたはもう立派なESG投資家です。そこで、今回は世界的潮流となっているこのESG投資の意味と意義について考えてみたいと思います。
※ お客様のポートフォリオにより組入れ銘柄の内容は異なります。

ESGとは、環境(Environmental)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの頭文字E、S、Gをつなげたものです。

そして、ESG投資とは、これら3つの要素に対する取組みが優れている企業、つまり、社会的価値の高い企業、を選別して投資する投資手法のことです。

たとえば、

・CO2の排出量削減などにより自然環境(E)に配慮した経営努力を行っている企業
・女性の社会進出支援など社会(S)に貢献する事業を行っている企業
・社外取締役の採用などガバナンス(G)に配慮した企業経営体制を採っている企業

に投資をする、という投資手法なのです。
これまでの伝統的な投資では、売上高や利益などの財務情報に着目して企業を選別していました。ESG投資では、財務情報に加えてESG情報を利用して社会的価値も考慮することになります。

つまり、ESG投資とは、株価や配当など金融的リターンと同時に社会的価値から得られるリターン(社会的リターン)も同時に追求することになります。もちろん、この社会的リターンは中長期的には金融的リターンとなって返ってくると想定していることに注意して下さい。

リターンはどうか?

この社会的リターンが金融的リターンになるという想定は本当に実現するのでしょうか。この疑問については、いろいろな研究があり、議論が分かれるところです。まだ、始まったばかりの分野であり、アカデミックな研究としては有意な結果を得るのにデータが足りず、もう少し時間がかかるでしょう。

しかし、高い社会的リターンは長期的に高い金融的リターンをもたらすという理念はすでに多くの人に広く受け入れられており、また、企業も社会的価値の向上を通して企業収益を上げていくという方向に舵を切っています。これはコロナ禍でより鮮明な傾向となっています。これこそポスト資本主義の方向性を示すものだと思います。この企業の考え方は、今、SDGs(注)として注目されつつあることはご存じの方もいると思います。

さらに言えば、ESG投資はそれ自体が広く分散されたポートフォリオ運用であり、一般的なマーケットポートフォリオと大きなリターン差が出るとは思えません。実は、今回のようなコロナショックでは、ESG投資の方が値下がり率は低いことが観測されており、少なくとも、ショックには株価下落への耐性があると考えられています。

ESG投資が注目される理由は?

なぜ、ESG投資が注目されるようになったのでしょうか。それは資本主義や企業を取り巻く次のような社会的背景があるからだと考えることが出来ます。

・温暖化の進行や貧富の格差拡大など、資本主義の弊害と思われる事象が顕在化して来ている。
・上記のような企業の外にある自然環境や社会のリスクが企業活動にも大きな影響を与えるようになっている。
・企業収益においてガバナンスの善し悪しの影響が大きくなってきている。(最近、多発している企業不祥事を見れば、これは誰の目にも明らかでしょう。)

産業革命以降、企業を中心とした資本主義社会は未曽有の成長を遂げてきました。しかし、最近、行き過ぎた貧富の格差や環境破壊など資本主義の負の側面が目に付くようになっています。

資本主義のもとで経済の成長は今後も持続するのだろうか。資本主義が持続するためには何が必要なのだろうか。

年金ファンドなど、長期の機関投資家は、これらの疑問を持つようになりました。そして、その対応策の一つがESG投資なのです。

ESG投資によって、資本主義を良い方向に導けないか。結果的に資本市場から持続的にリターンを得られないか。このような考え方が背景にあります。

過去、資本主義がもたらした高度経済成長から最大の果実を享受したのは投資家です。もし、資本主義が持続可能でなくなれば、最も大きな損害を受けるのは投資家自身です。投資家は、今、より良い社会を作り、資本主義を持続させるために、自ら積極的な行動を起こすようになったのです。ESG投資をサステナブル(持続可能)投資、あるいは責任投資とも呼ぶのは、それらの考えを反映しているためと考えられます。

 ESG投資家になろう

さて、THEOに投資しているあなたはもう立派なESG投資家です。
新しくTHEOで採用されたSUSA米国ESG株は、世界的なESG評価機関であるMSCI社によって高いESG評価を受けた202銘柄(2020.12.1時点)からなるESGポートフォリオです。資産の一部ですがあなたは環境や社会に貢献することに自らの資金を投下しているのです。これを契機に、日常生活の中でより良い環境や社会の構築に向けて何が出来るのか考え直してみるのも一考ではないでしょうか。

注)SDGs:持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
(出所:外務省HP)

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※本稿において、記載された意見・見解は、筆者個人のものであり、株式会社お金のデザインの公式見解ではありません。


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