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2022年の振り返り -世界経済とパンデミックがTHEOに与えた影響は?-

こんにちは。最高投資責任者(CIO)のスチュワートボックス マットです。本年もおまかせ資産運用THEO[テオ]をご利用いただいた皆さん、ありがとうございました。

2022年の金融市場は、インフレや金利といった大規模なマクロ経済要因に加え、コロナウイルスのパンデミックの影響が続いています。
年末を迎えるにあたり、これらの要因が経済、金融市場、そしてTHEOに与えた影響について振り返りたいと思います。


世界経済

国際通貨基金(IMF)が発表した以下のグラフは、パンデミックが世界のGDP成長率に及ぼした影響を示しています。

全体として、世界のGDPは2020年に3.1%減少した後、2021年には6%回復し、2022年には3.2%の成長が見込まれます。2023年の世界成長率は2.7%とやや減速した後、3%程度に回復すると予想されています。

出典 IMF

ただし、国によって経済成長の推移には大きなばらつきがあります。

米国の経済成長は、度重なる利上げにより、2022年には推定1.6%まで減速が見込まれます。中国の成長率は2022年に3.2%に鈍化し、パンデミック前に比べて大幅に低下が予想されています。しかし、インドの成長率は2022年の推計値で6.8%と底堅く、今後5年間は6%以上を維持すると予想されます。

米国では、インフレとこれに対する米連邦準備制度理事会(FRB)の反応が経済ニュースの中心でした。 米国のインフレ率(CPI)は、商品価格の上昇、賃金上昇、食品価格とサプライチェーンの混乱に牽引されて6月に前年比9.1%まで上昇し、その後年後半に徐々に低下しました。

米連邦準備制度理事会(FRB)はこれまで7回、4.5%まで金利を引き上げることで対応し、他の先進国も同様の利上げを経験しました。

出典 トレーディング・エコノミクス

世界的に見ると、2022年のインフレ率は平均8.8%(出典:IMF)で、ほぼすべての主要国に影響を及ぼしました。IMFは、世界のインフレ率は2023年には約6.5%に低下し、今後3年間で徐々に3.5%程度に戻ると予測しています。

しかし、投資家にとってのその他のリスクとして、ロシア・ウクライナや中国・台湾の地政学的リスクなどがあります。このようなリスクが投資家心理に影響を与え、2023年に再び相場が乱高下する可能性があります。

市場への影響

下の表は、2022年のこれまでの主要な市場指数の推移を示したものです。

出典: Bloombergのデータを元に弊社作成

米国、欧州及び日本の株式市場は下落し、金利は急上昇(したがって債券価格は下落)、原油及び金価格はほぼ横ばい、ボラティリティはやや上昇と、このスナップショットは今年の相場動向の概略を示しています。しかし、このスナップショットだけでは、1年間の動きを十分に示すことはできません。

下のグラフは、2022年の株式市場と商品市場のパフォーマンスを示しています。米国と欧州の株式市場は、金利上昇が経済成長に与える影響への懸念から第1~3四半期に徐々に下落し、9月末にはダウ工業株30種平均が年初来で20%超の下落となりました。その後、インフレがピークアウトしたとの見方から、株式市場は回復しています。

商品市場では、上半期に原油価格による価格の押し上げがありましたが、下半期には徐々に値を切り下げました。

出典 :Bloombergのデータを元に弊社作成

下のグラフは、国債と為替の1年間のパフォーマンスを示しています。米国の10年債利回りは、FRBの利上げにより1.5%から4%超に上昇し、欧州でも金利は上昇しました。日本では、金利は0.25%前後でほぼ横ばいとなりました。米国の金利上昇は為替市場に影響を与え、日本円は対米ドルで20円以上下落しました。 

出典: Bloombergのデータを元に弊社作成

THEOへの影響

以下のグラフは、過去7年間のTHEO機能別ポートフォリオのパフォーマンス〈注〉を示しています。2020年のパフォーマンスが若干マイナスになった後、2021年にパフォーマンスが強くプラスになり、2022年は11月末時点で2つの機能ポートフォリオがプラスになっています。
特に、インフレ期待が高まる中、「インフレ・ヘッジ」ポートフォリオが好調に推移しました。エネルギー関連ETFの好調なパフォーマンスにより、同ポートフォリオは12.5%上昇しました。

出典:お金のデザイン

今後1年間の市場の動向を予測することは常に難しいことです。特に現時点では、マクロ経済の見通しが不透明であるため困難です。経済予測の市場コンセンサスでは、2023年も経済成長が続くとされていますが、その大半はすでに資産価格に反映されています。

しかし、短期的な変動や市場のタイミングを図ることにこだわり過ぎないことが重要です。短期的な市場予測は非常に困難ですが、中長期的には、幅広く分散されたポートフォリオで着実に運用を続けていくことが、資産形成をする上では最も優れている方法だからです。

THEOは、最大30種類以上のETFを組み入れ、多様な地域、アセットに国際分散投資を行なっています。また一人ひとりにあったポートフォリオで、毎月のメンテナンスを行うことで長期の資産運用をすべて任せていただけるサービスになっています。

2022年も激動の一年となりましたが、2023年も引き続きTHEOをご利用いただき皆さんの人生のパートナーでいられることが、私たちの願いです。

※当コラムの内容は2022年12月21日時点の内容です。


プロフィール

スチュワートボックス マット
取締役CIO(最高投資責任者)

イギリス出身、ケンブリッジ大学数学修士。1999年、バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現ブラックロック・ジャパン)に入社。2009年マネージング・ディレクター。科学的アクティブ株式運用部門にて、日本株式の銘柄選択モデルの開発・運用及び株式定量運用(クォンツ)全般を統括。現在、東京大学大学院経済研究科にて日本経済の研究も行う。
2018年3月お金のデザインに入社し、2019年3月に執行役員 投資プラットフォーム責任者、2019年12月に同、取締役に就任。2022年7月より現職。

<注>
*2016年は2016年2月19日〜12月31日、2022年は1月1日〜11月30日
*上記の各機能ポートフォリオのパフォーマンスは、THEOの運用方針に基づき、弊社が実際に運用しているものですが、資産残高が100万円以上、月中に入出金にともなう取引がないなどの条件を満たす口座の実績のみを用いて算出しております。パフォーマンスは、配当再投資、投資一任報酬(税込)、配当税控除後で計算されています(証券会社に支払う売買手数料は弊社が負担しています)。THEOのお客様のポートフォリオのパフォーマンスは、月中の入出金や資産残高等によって、上記のパフォーマンスとは異なりますので、その運用結果は同一とはなりません。その旨ご留意ください。

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THEOの運用については、「THEOの仕組み」をご覧ください。
運用方針、運用モデルについて、詳しくは「THEOホワイトペーパー」をご参照ください。

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