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新年のご挨拶

新年、あけましておめでとうございます。

この度、当社お金のデザインの経営体制強化の一環で代表取締役CEOに就任した山辺と申します。代表取締役社長の中村とともに引き続きお客様の資産運用のお手伝いをさせて頂ければと存じます。

さて、旧年中は、弊社サービスをご愛顧頂き、誠にありがとうございました。本年も社員一同、皆様にご満足頂けるサービスを心掛け邁進してまいります。これまで同様のご愛顧を賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます。

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経済・市場環境

さて新年のご挨拶にあたり昨年の世界経済を振り返ると、IMFによる推定では成長率3.0%と、2009年の世界金融危機以降で最も低い水準となりました。世界経済の減速は先進国における高齢化などの構造的要因や、新興国が抱える各国固有の要因によるところもありましたが、2018年7月の米国による対中制裁関税に端を発した米中貿易摩擦の影響が目立ちました。関税引き上げそのものだけでなく、通商政策全般に係る不透明感が企業の景況感や投資活動に影を落としたことが世界経済の足を引っ張る形となりました。

しかし一方、経済成長の足取りが鈍いなかでも主要な株式指数が高値を更新するなど、株式市場は好調に推移しました。雇用や消費が堅調だったことや、緩和的な政策に下支えされていること、そして年末になって実現した米中貿易協議の部分合意が交渉長期化の懸念を和らげたことも大きな支援材料となりました。

さて、2020年の見通しですが、IMFによる世界経済の成長率は3.4%と、小幅ながら成長加速が予想されています。しかし、先進国では長期的な潜在成長率に向けての減速が続くと見込まれ、通商政策に係る不確実性が世界的な貿易停滞を深刻化させる可能性も完全に排除されたわけではなく、さらに鎮静化の兆しを見せない地政学的リスクや米国大統領選など、世界経済は多くの不確実性を抱えています。残念ながら世界経済の成長シナリオは心許ないものになりそうです。

こうした世界経済情勢のなか、様々なリスク要因への警戒を欠かせない投資環境が続くと予想されます。
株式市場では、引き続き緩和政策が相場を下支えすると期待されますが、高いバリュエーションや強気相場が長期化していることは気になるところです。世界経済の成長シナリオには脆さが散見され、何かのきっかけで市場のセンチメントが急速に悪化するリスクは小さく見積もれません。
また、世界的に拡大する債務にも注意が必要です。IMFによると世界の公的部門・民間部門の債務合計は188兆ドルとのことで、これは世界のGDP合計の2倍を超える水準です。政府や企業の急な金利上昇や景気後退に対する脆弱性が構造的に高まっていると言え、債券投資についても慎重な姿勢が求められています。

投資に求められる要素

このように残念ながらバラ色の投資環境とならない可能性が高そうですが、我々はこうした時こそ「投資の基本」に立ち返ることが大切だと考えています。

・適切なリスク・コントロール
・幅広い資産クラスへの分散投資
・投資タイミングの分散(積立)
・長期投資

THEOはまさにこの「投資の基本」を実践するためのサービスです。これまでも様々な取組みでこの基本機能を増強してまいりましたが、皆様により高品質なデジタル資産運用サービスをお届けすべく、今後も最重点項目として取り組んでまいります。

また、我々が目指す顧客に寄り添うサービスの実現には「カスタム性」も重要な要素だと考えています。ライフステージの変化に寄り添う、ライフスタイルの多様性に寄り添う、顧客に寄り添うサービスの視点も様々ですが、必要不可欠なのがカスタム性です。規格化された商品だけではニーズの時系列的変化や多様化に応えることはできません。THEOはお客様一人一人に最適な資産運用をお届けするカスタム運用のサービスですが、今後さらに一層柔軟に皆様の資産形成・資産防衛のニーズに寄り添うべく、カスタム機能の増強にも力を入れてまいります。

フィンテックの新たな潮流

さて、企業としてのお金のデザインの視点で昨年を振り返ると、我々フィンテック企業を取りまく経営環境の構造変化が最大のテーマでした。
この数年で、ロボアドに代表されるデジタル資産運用だけでなく、決済やレンディングなど、様々な分野で多くの個別フィンテック・サービスが生まれました。金融という伝統的なビジネスが、テクノロジーの活用によって再定義され、今ではそのあり方自体も大きく変わりつつあります。そうしたなか、ここに来て大規模なユーザーベースを持つ企業によるマルチ型フィンテック・サービス(各種サービスが統合されたサービスプラットフォーム)という新たなダイナミクスが生まれ、その流れが加速しつつあります。

様々な個別サービスをまとめるという発想はこれまでにもありましたが、今回の動きで特徴的なのは、まず非金融のプラットフォームが主体となった動きであること。例えばLINEやNTTドコモなどです。彼らが持つ巨大なユーザーベースを土台にしたビジネスモデルの発想は、金融機関という枠を超えて日々の生活の中に金融商品/サービスとの接点を生み、我々と金融との新しい関わり方が生まれるのではないでしょうか。例えば、当社とNTTドコモのパートナーシップで提供するTHEO+ docomoはその一例です。運用残高に応じて貯まったdポイントをコンビニや薬局で使うことができたり、dカードでお買い物をする際に「おつり」を自動で積立投資できたりと、これまでにない金融との関わりを実践するサービスとなっています。

もう一つの特徴は、プラットフォーム上で一元管理されるデータの活用により、個々のサービスの有機的な融合を目指しているところにあります。例えば、現在、当社のロボアド・サービスではお客様に年齢や金融資産などを質問させていただいておりますが、そうした個別サービス単位での情報収集は不要になり、さらには他サービスの利用状況を踏まえたアドバイスも可能となります。日々の様々なサービス利用から蓄積されるデータを分析・活用することで、究極的には個人のバランスシート全体を自動で最適化するような、家計ポートフォリオ全体に寄り添うサービスも実現するかもしれません。単に個別サービスを一か所に集めるだけでなく、サービスの総合化による新たな価値の創造が期待されます。

このように「個からマルチ」への構造変化は未来への一歩を感じさせる大きな進化です。その新たな潮流のなかで我々自身も自らの可能性を広げるべく、経営のギアチェンジの必要性を感じる一年でした。

人とお金の新しい関係を創る

ところで、昨年は金融庁のレポート「高齢社会における資産形成・管理」が大きな話題になりました。2000万円という金額はさておき、医療技術の発展とともに人生100年時代とも言われる長寿化社会が到来しつつあるなか、今後のマネープランを遠い未来の話ではなく今現在において必要な自分ごととして捉えることの重要性はたしかに高まっています。
これからの100年は、これまでの100年の延長ではありません。人口減少、超高齢化社会(長寿化社会)、低成長、円安やインフレなど、これまで経験したことのない社会変化が続く時代、より創造的な「お金」との関わりが求められます。

そうしたなか、「お金」を将来の不安要素から新たな世界につながる可能性へと変えてゆくべく、お金のデザインでは本年も社員一同、皆様のご期待に沿えるサービスの実現を目指してまいります。引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが、今年一年の皆さまのご多幸をお祈りして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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