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2023年の振り返り -インフレと地政学リスクの高まりがTHEOに与える影響とは?-

こんにちは。お金のデザイン、最高投資責任者(CIO)のスチュワートボックス マットです。本年もTHEO[テオ]をご利用いただいた皆さん、ありがとうございました。

2023年の金融市場は、インフレや金利といった大規模なマクロ経済要因に加え、継続する地政学的不確実性によって影響を受けました。年末を迎えるにあたり、経済、金融市場、THEOに影響を及ぼした要因を振り返りたいと思います。

スチュワートボックス マット
株式会社お金のデザイン 取締役CIO(最高投資責任者)

イギリス出身、ケンブリッジ大学数学修士。1999年、バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現ブラックロック・ジャパン)に入社。2009年マネージング・ディレクター。科学的アクティブ株式運用部門にて、日本株式の銘柄選択モデルの開発・運用及び株式定量運用(クォンツ)全般を統括。

2018年3月お金のデザインに入社し、2019年3月に執行役員 投資プラットフォーム責任者、2019年12月に同、取締役に就任。2022年7月より現職。

世界経済 

世界の経済成長率
以下のグラフは、国際通貨基金(IMF)が発表した世界のGDP成長率を示しています。世界の成長率は、3.5%(2022年)、3.0%(2023年※予測)と今後数年間で、3%前後で推移する見込みです。

世界のGDP成長率の推移(2000年~2028年※予測値含む)

(出所)国際通貨基金(IMF)

経済成長率は国によってまちまち
しかし、国によって経済成長の推移には大きなばらつきがあります。
度重なる利上げにもかかわらず、2023年の米国の経済成長率は2.1%と堅調さを維持しています。
中国の成長率は2022年の3%から2023年には5%に回復しましたが、主要経済国で最も好調だったのはインドの6.3%成長でした。
欧州では経済成長が低迷し、EUの平均成長率は0.7%、最大の経済大国ドイツは0.5%マイナスとなりました。

世界経済見通し(%)(2023年10月時点)

(出所)国際通貨基金(IMF)

インフレ動向
米国のインフレ率は2022年6月の9.1%をピークに徐々に低下し、2023年11月には3.1%となりました。
依然として米連邦準備制度理事会(FRB)の目標インフレ率を上回っていますが、FRBは過去2年間で計11回の利上げを行った後、7月以降は金利を据え置いています。
市場参加者の多くは、現在の金利サイクルはピークに達し、FRBは2024年から徐々に金利を引き下げ始めると予想しています。

米政策金利と消費者物価指数(前年同月比)の推移(2019年1月~2023年11月)

(出所)ニューヨーク連邦準備銀行、米国労働省労働統計局

世界全体のインフレ率は2023年に平均6.9%(出所:IMF)となり、2022年の8.7%から低下しました。IMFは、世界のインフレ率は2024年に約5.8%まで低下し、今後3年間で徐々に4%前後に戻ると予測しています。
しかし、地政学的リスクは高まりをみせています。現在進行中のウクライナ紛争に加え、10月に始まったイスラエル/パレスチナ紛争は、中東におけるより広範な紛争に拡大するリスクがあります。これに加え、台湾をめぐる紛争リスクも引き続き投資家心理に影響を与えており、2024年も市場の変動が続く可能性があります。

金融市場とは直接関係はありませんが、地球温暖化は続いており、米国海洋大気庁によると、2024年は世界的に記録的な高温になると予想されています。2024年の平均気温は、産業革命以前の平均(1880-1900年)より1℃以上高くなる可能性があります。これにより、異常気象、不安定な作物収穫量、エネルギー供給問題、海面上昇のリスクが高まります。

市場への影響

下の表は、2023年のこれまでの主要な市場指数の推移を示したものです。

(出所)各種データよりお金のデザイン作成

株式市場
株式市場は米国、欧州、日本で急上昇、金利は米国でほぼ横ばいでしたが欧州では下落、また、原油価格は下落しましたが金価格は上昇、ボラティリティは下落しました。

また下のグラフは、2023年の株式市場と商品市場のパフォーマンスを示しています。米国と欧州の株式市場は1年の大半を低迷していましたが、金利サイクルがピークに達したとの見方が強まり、10月末から力強く上昇しました。

商品市場では、原油価格は6月頃から9月下旬にかけて上昇しましたが、生産量の多さと中国の需要減退懸念により、9月末以降は下落しています。
金は、地政学的リスクの高まり、金利低下の期待により金保有のコストが低下し、直近では上昇しています。

(出所)各種データよりお金のデザイン作成
※米国株式:ダウ平均株価、欧州株式:ユーロ・ストックス・50指数、日本株式:日経平均株価
※原油価格:WTI原油、金価格:LBMA金価格

金利・為替
下のグラフは10年国債利回りと為替の推移を示しています。
米国の10年債利回りは5%近くまで上昇しましたが、10月以降は徐々に低下しています。欧州と日本の金利も同様のパターンをたどりましたが動きは小幅でした。
金利動向は為替市場の主な原動力となり、日本円は対米ドルで150円前後まで下落した後、ここ2ヵ月はやや上昇しました。

10年国債利回りの推移(2022年12月末~2023年12月22日)

(出所)各種データよりお金のデザイン作成

為替推移(2022年12月末~2023年12月22)

(出所)各種データよりお金のデザイン作成

THEOへの影響

以下のグラフは、THEOの機能別ポートフォリオの2021年1月以降のパフォーマンスを示しています。

2022年のパフォーマンスはまちまちでしたが、2023年は3つの機能別ポートフォ リオすべてがプラスになりました。各ポートフォリオは、株式市場の堅調なパフォーマンス、債券市場の最近の上昇、為替動向など、さまざまな要因から恩恵を受けました。

THEO:機能別ポートフォリオのパフォーマンス(2021年~2023年)

(出所)お金のデザイン ※2023年は11月末までの実績

※ご参考 THEOの3つの機能別ポートフォリオ

(出所)お金のデザイン

今後1年間の市場の動向を予測することは常に難しいことです。特に現時点では、マクロ経済の見通しが不透明であるため困難です。経済予測の市場コンセンサスでは、2024年も経済成長が続くとされていますが、その大半はすでに資産価格に反映されています。

しかし、短期的な変動や市場のタイミングを図ることにこだわり過ぎないことが重要です。短期的な市場予測は非常に困難ですが、中長期的には、幅広く分散されたポートフォリオで着実に運用を続けていくことが、資産形成をする上では最も優れている方法だからです。

THEOは最大30種類のETFを組入れ、世界70の国、地域の20,000銘柄に徹底的に分散投資します。また、231通りのポートフォリオの中から、1人ひとりの年齢や金融資産等に応じた最適なポートフォリオをご提案し、運用開始後も年齢等の変化に応じた資産配分の調整も自動で行います。

そのため、THEOで資産運用をはじめたら、運用をやめるときまで、一生涯安心しておまかせすることができるのです。

THEOの3つの特徴(詳しくはこちら

2023年も激動の一年となりましたが、2024年も引き続きTHEOをご利用いただき皆さんの人生のパートナーでいられることが、私たちの願いです。

※当コラムの内容は2023年12月22日時点の内容です。

<注>
*上記の各機能ポートフォリオのパフォーマンスは、THEOの運用方針に基づき、弊社が実際に運用しているものですが、資産残高が100万円以上、月中に入出金にともなう取引がないなどの条件を満たす口座の実績のみを用いて算出しております。パフォーマンスは、配当再投資、投資一任報酬(税込)、配当税控除後で計算されています(証券会社に支払う売買手数料は弊社が負担しています)。THEOのお客様のポートフォリオのパフォーマンスは、月中の入出金や資産残高等によって、上記のパフォーマンスとは異なりますので、その運用結果は同一とはなりません。その旨ご留意ください。

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THEOの運用については、「THEOの仕組み」をご覧ください。
運用方針、運用モデルについて、詳しくは「THEOホワイトペーパー」をご参照ください。

「プロとAIがいる、おまかせ資産運用THEO[テオ]」
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株式会社お金のデザイン
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