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日銀によるマイナス金利解除で私たちの暮らしはどうなる?THEOへの影響は?

日本銀行(日銀)は、3月18日と19日に行われた金融政策決定会合でマイナス金利政策を含む大規模緩和の解除を決定しました。

マイナス金利の解除を受けて、私たちの生活はどう変わるのでしょうか?またTHEOへの影響はあるのでしょうか?

今回の日銀の決定は、金融正常化に向けた姿勢を明確に示したという意味で重要な変更となります。
そのため今回のブログは、少し長めで、そして硬い内容にはなりますが、私たちの考えをお伝えしたいと思います。ぜひ、最後までお付き合いください。


マイナス金利政策を含む大規模緩和の解除について

2016年1月の導入決定以来、デフレ脱却を目指してマイナス金利政策(日銀が金融機関から預かる当座預金の一部の金利をマイナス0.1%とする)がとられてきましたが、「賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきた」、「2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した」ことなどから、政策金利(無担保コールレート翌日物)が0~0.1%に引き上げられました。
政策金利が引き上げられるのは、2007年2月以来17年ぶりとなります。

また、マイナス金利の解除と同時に、2016年9月に導入した長期金利を低く抑えるための長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)と、2010年に始めた上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の新規買い入れの終了も決定されました。

マイナス金利政策は、欧州中央銀行(ECB)をはじめ欧州の一部の中央銀行でも導入されていましたが、コロナ禍後の世界的なインフレに対応するため利上げへの転換が進み、2022年9月以降に世界の主要な中央銀行でマイナス金利政策を続けているのは日銀だけとなっていました。

日銀の植田総裁は記者会見で「大規模な金融緩和政策はその役割を果たした」と述べ、今回の決定により、日銀は「異次元」と称された積極的緩和政策からの正常化に向けて一歩踏み出したと言えます。

大規模緩和策解除による影響について

【金利】

今回の日銀の決定による経済環境等への影響についてですが、まず預金金利、住宅ローン金利、企業の借入金利などが上昇する可能性があります。
いずれの金利も、これまでは歴史的に見て非常に低い水準のまま、大きく変化しない状況が続いていましたが、将来、政策金利が段階的に引き上げられれば、これらの金利も上昇していくことが見込まれます。
しかしながら、日銀の植田総裁は記者会見で、「当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」と述べて、追加の利上げを急がない考えを示唆しており、今後短期間のうちに早いペースで政策金利が上昇する可能性は低いと考えられます。

【為替】

為替については、これまでインフレを抑え込むために利上げを繰り返してきた米国などに対して、日本だけがデフレ脱却を目指して金融緩和政策を一貫して継続してきたことなどから円安ドル高が進んできましたが、マイナス金利を解除した日銀が段階的な利上げを行い、その一方で、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げに転じるようなことがあれば、金利差縮小を受けて為替が円高ドル安となることが考えられます。

しかし、前述の通り、日銀は当面は緩和的な姿勢を維持するとしていますし、米国も各種の経済データを評価しながら慎重に政策決定を行うと考えられます。
マイナス金利の解除が発表された後に、為替が円安方向に動いたことからも分かるように、今回のマイナス金利解除をもって直ちに円高ドル安傾向となるのではなく、これまで通り、経済環境や各中央銀行の政策スタンスの変化などを織り込みながら為替レートが決定されていくものと考えられます。

【株価】

株価については、一般的に金融の引き締めは株価にとってマイナス要因と考えられていますが、実際には、金利や為替の動向が個別の企業業績にどのように影響を与え、それを投資家がどう評価するかによるため、引き続き政策変更のインパクトを注視する必要があります。

【まとめ】

今回の日銀の決定は、金融正常化に向けた姿勢を明確に示したという意味で重要な変更と言えます。しかし、その方向性については既に市場に織り込まれていたこともあり、長期的な視野に立って分散投資を行っている個人投資家にとっては、直ちに特別な投資行動を起こさなければならない、というものではないと考えます。

THEOの運用への影響について

THEOでは、短期的な変動や市場のタイミングを図ることよりも、幅広く分散されたポートフォリオで中長期的に着実な運用を続けていくことを目指しています。そのため、今回の日銀の決定に際しても、臨時の対応等は行っていません。

私たちが長期的な資産形成を行う上では、金融政策の動向を注視しつつも、一定の不透明性を前提に、不測の事態に備えた適切なリスク分散がより重要であると考えています。
THEOが用いている定量モデルには直近までの市場データを読み込みながら、ポートフォリオ構築の際には、中長期的な視点でのリスクコントロールが重視されるため、金融政策の変化は、その影響が市場に浸透するのに合わせて比較的緩やかにポートフォリオに反映されていきます。

資産形成においては、短期的な変動や市場のタイミングを図ることにこだわり過ぎないことが重要であるとTHEOでは考えています。短期的な市場予測は非常に困難ですが、中長期的には、幅広く分散されたポートフォリオで着実に運用を続けていくことが、資産形成をする上では最も優れている方法だからです。

引き続き、THEOでは、このような金融政策の動向に注意を払いながらも、徹底的に分散投資を行い、231通りのポートフォリオの中から、1人ひとりの年齢や金融資産等に応じた最適なポートフォリオをご提案し、運用開始後も年齢等の変化に応じた資産配分の調整をを行い、お客さまの着実な資産形成のために努力をしてまいります。

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