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コロナショックをいかに乗り切るのか-長期投資家の心得-

本記事は、お金のデザイン研究所所長、首都大学東京特任教授/京都大学客員教授の加藤康之氏による寄稿記事です。

コロナショックの影響が想定以上に拡大しており金融市場も大きく動揺しています。資産運用についてどうすべきか悩んでいる方も多いと思います。

今回のように未曾有と言われたショックは過去に何回かありましたが、早まった行動をして後悔している投資家も少なくありません。こういう時だからこそ、過去の教訓から導かれた適切な資産運用を学んでおくことは重要です。

本ブログでは、過去のショックを振り返った上で、資産価格の長期的な変動特性を理解し、次に、短期的なショックを乗り切る長期投資の方法論について学びます。また、最後に積立投資がショックに効果的なことを確認します。あわてずにコロナショックを乗り切りましょう。

今回のショックはこれまでと違うのか?

私は研究者として金融業界に40年間おりますが、その間、ブラックマンデー、アジア通貨危機、ネットバブル崩壊、リーマンショックなど複数のショックを経験しました。

ショックのたびに「大変だ。今回はこれまでと違う。」とあわてて投資資産を現金化してしまい、得られたはずのリターンを得られずに後悔をした投資家を少なからず見てきました。一方、ショックの後、毎回同じように回復しショックを凌駕して成長してきたのが長期投資家です。

以前「第2のリーマンショックが起きた時の対応法」というブログを書いたのもこの教訓に学んで欲しかったためです。リーマンショックでは世界の株式市場は最大で約50%下落しましたが、この未曾有の危機からも復活し成長しているのです。
今回のコロナショックに対してもこれまでと同様に、長期投資家の心得を持って後悔のない投資行動をとって頂きたいと思います。

なぜ長期投資は安全なのか?(資産価格の長期的な変動特性)

投資対象資産の中で最もリターンが高いのは株式ですが、同時に日々の価格変動というリスクも高く、今回のコロナショクでも3月前半には世界の株式市場において20%近く下落しました。(ちなみにリーマンショックでは最大50%下落しています。)このように高いリターンを得られる資産は価格変動が激しく、投資は怖いと思った方も少なくないと思います。

実際、過去32年間で任意の1年間を選び世界株式を1年間にわたり単純に保有したとすると、リターンは最大でプラス63%、最小でマイナス53%と選んだ1年間によって大きくばらつきます。最大と最小の差が100%を超え、最小では資産が半分に減ってしまい確かにリスクが高いことが分かります。

ところが、これを任意の15年間で保有したとすると最大がプラス10%で最小がプラス1%(比較のため1年間あたりのリターンに換算)となり、最大と最小の差は9%と大幅に縮小し、かつ、最小でもプラスのリターンになります。

つまり同じ株式というリスクの高い投資資産でも長期間保有するとリスクが劇的に低減します。(詳しくは加藤康之ブログ「安全投資としての長期株式投資」を参照)これが資産価格の長期的な変動特性なのです。なお、以上は最もリスクの高い株式のみの場合であり、一般的には債券などにも分散して投資しているため、最小のリターンはより高くなります。

長期投資とは何をすることか?(長期投資の方法論)

長期投資とはリターンは高いがリスクも高い資産を投資対象として、将来のために長期間にわたって資産形成を行うことです。前述[なぜ長期投資は安全なのか?]で説明した資産価格の長期的な変動特性を理解すれば、長期投資の有効性は明らかです。

しかし、思いつきで選んだ資産をただ長期間持ち続けることには思わぬリスクが伴い効率的でもありません。長期投資にはそれに適したポートフォリオを構築し(a.国際分散投資)、そのポートフォリオに対する適切なメンテナンス(b.リバランス)を継続的に行うことが必要になります。以下、その方法論を具体的に解説しましょう。なお、これらの方法論を実現したのがTHEOなのです。

a.国際分散投資
自分の好きな会社の株式を買って長期間にわたり持ち続けることも長期投資と言えます。しかし、10年以上といった長期間を考えると時代の変化に伴いその会社の成長性も低下し倒産してしまうリスクもゼロとは言えません。

世界は広く様々な成長の源泉が次々に出現しています。世界の多様な資産に分散投資することにより期待リターンを上げリスクを低減することが可能になります。長期投資では国際分散投資により適切なポートフォリオを構築すべきなのです。

THEOは世界のあらゆる投資対象資産からETFを厳選した上でそれらを3つのポートフォリオに分け、それぞれに分散して投資を行っています。この、3つの分け方はファクター理論(この理論で有名なユージン・ファーマは2013年にノーベル賞を受賞しています)にもとづいており、高度な分散効果をもたらします。なお、これらの3つのポートフォリオは常時THEOによって監視され最適なものに維持されています。

b.リバランス

いったん構築したポートフォリオを放置しておくと資産価格の変化により各資産への配分比率が変化してしまいポートフォリオの効率性が低下します。そのためメンテナンスが必要になります。これをリバランスと呼んでいます。

リバランスとは各資産への配分比率を元に戻すことです。THEOで考えると、グロース・ポートフォリオ50%、インカム・ポートフォリオ35%、インフレヘッジ・ポートフォリオ15%のポートフォリオを運用しており、市場の変動により、それぞれ40%、50%、10%に変化した場合、これを元の(その投資家にとって最適な)50%、35%、15%に戻すことです。

これは長期投資のもとでは、結果的に価格が上がった資産を一部売って価格が下がった資産を買うことにもなり、リターン向上に貢献することが検証されています。また、特に今回のようなショック時に威力を発揮することも分かっています。(詳しくは加藤康之ブログ「第2のリーマンショックが起きた時の対応法」を参照)

リバランスでは投資対象資産の変動特性が違っているほど効果が高くなりますが、THEOでは[a. 国際分散投資]で示したようにファクター理論により変動性の異なる3つのポートフォリオの間でリバランスを行っているためリバランス効果が高くなります。

ところで、THEOには「THEO AIアシスト」という特別な機能があり、あるETFのボラティリティ(価格変動)の高まりを検知するとそのETFに対する投資ウェイトを下げ、他のETFに移すことを行っています。これはTHEO独特ですが、AI時代のリバランスと言えるでしょう。実際、今回のコロナショック直前にAIアシストがリバランスを発動しました。AIアシストはボラティリティが相対的に高まると検知した中国株式、メキシコ株式、インド株式のウェイトを下げ、日本株式、ヨーロッパ株式、米国株式のウェイトを上げています。

積立投資はなぜショックに効果的なのか?

国際分散投資とリバランスを長期投資の要として説明しましたが、この長期投資をさらにレベルアップするのが積立投資です。前述[なぜ長期投資は安全なのか?]のところで、日々の変動が激しい株式でも15年間保有すればプラス10%からプラス1%の狭い範囲に収まるとお話ししました。

しかし、狭い範囲とは言っても最大で9%の差が付いています。そして、最小の1%を記録したのはリーマンショックの時期を含む15年間なのです。つまり、長期とは言え投資するタイミングはそれなりに影響を与えます。しかしながら、投資するベストのタイミングを予測するのは不可能です。そこで、最善の策になるのが投資するタイミングを分散させることです。つまり、投資金額を少額にして時間をかけて投資するのです。

これは時間分散投資と呼ばれており、積立投資と同じことになります。これにより、投資タイミングの善し悪しをならすことが出来ます。少なくともワースト(最悪)な投資タイミングを避けることができます。そもそも最悪なタイミングで始めても成長が期待出来る長期投資ではワーストを避けることが出来れば効果は大きいのです。加えて、ショックが起これば、大きく低下した価格で追加投資することになり、その威力を発揮します。

おわりに

英語でディシプリン(discipline)という言葉があり、専門の投資家に最も要求されることと言われています。日本語で言えば規律となり、あらかじめ決めた原則に従い行動することであり、場当たり的な行動をしないことです。

投資で重要なことは短期のショックにあわてて反応しないことです。ディシプリンを貫いた投資家にのみリターンという果実がもたらされるのです。
ちなみにTHEOは主観的な人の相場判断を入れず、ディシプリンのある投資を行っています。THEOとともにコロナショックを乗り切って行きましょう。

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※本稿において、記載された意見・見解は、筆者個人のものであり、株式会社お金のデザインの公式見解ではありません。

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