マガジンのカバー画像

資産運用コラム

40
投資経験がない方でも「お金」や「資産運用」とどのように向き合えば良いかが、分かるようになる。
運営しているクリエイター

#加藤康之の投資講座

第2フェーズを迎えたESG投資とその課題-前編- ESG投資とサステナビリティ経営

本記事は、お金のデザイン研究所所長、京都先端科学大学教授/京都大学客員教授/東京都立大学特任教授の加藤康之氏による寄稿記事です。 資産運用の世界では相変わらずESG投資が注目されています。日本でESG投資が注目を浴び始めたのは2017年でした。それは公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資をスタートした年です。それから5年が経過し、ESG投資も第2フェーズに入ったと思われます。 そこで、本稿では第2フェーズでは何が変わったのか、そして、どん

緊迫するウクライナ情勢 投資家はどう行動すべきか 「市場の変動とリバランスの効果」

ロシアのウクライナへの侵攻により、金融市場は動揺しています。当面、資産価格の変動性は高まることを覚悟しておいた方が良さそうです。怖いので投資資産をすべて売ってしまいたいとお考えの方もいるかもしれません。しかし、それでは長期投資の観点で大きな機会を逃すことになることは過去の歴史が繰り返し教えています。 それでは長期投資家はどう考えればいいのでしょうか。今回は、このような状況における投資家の対応法について考えてみましょう。 ・・・ 「平均回帰性」という市場の特性を理解する

ウクライナ侵攻と投資家のリスク管理-インフレヘッジポートフォリオの役割を再考する-

・・・ ロシアのウクライナ侵攻が現実のものとなり、世界に衝撃を与えています。金融市場も例外ではありません。株式市場も大きく動揺しています。このような緊急時に投資家はどのように対応すれば良いのでしょうか。 今回はTHEOの3つのポートフォリオの1つであるインフレヘッジポートフォリオに注目しながら考えてみましょう。なぜインフレヘッジポートフォリオなのか。それは、今回のウクライナ侵攻における影のキーワードがインフレだからです。このことについては以下の本文を読んで頂ければ理解して頂