利上げ後の状況について〜不透明な環境下で心がけたい投資の原則とは〜
利上げ後の状況について
5月3日から4日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)において、FRB(連邦準備制度理事会)は、フェデラルファンド金利の誘導目標を0.5%引き上げ、かつ、6月からFRBによる保有資産の縮小に着手することを決定しました。この一連の動きは、新型コロナウイルス禍からの経済再開に伴う供給網の混乱やウクライナ情勢などによるインフレ高進への対応策になります。
このFOMCの後、4日にS&P500種指数が2.99%と大きく上昇する一方、翌5日には3.56%下落、6日も0.57%の続落となるなど、株式市場が乱高下しています。
0.5%の利上げ幅は、ほぼ市場の予想通りと言えますが、株式市場参加者の一部は0.75%の利上げまで織り込んでいたと見られ、0.5%の利上げにとどまったことや、FOMC後の会見でパウエルFRB議長が次のFOMCにおいても0.75%の利上を「積極的に」検討はしないと表明したことなどを受けて、4日の株式市場は上昇しました。一方で、5日は、1-3月期非農業部門労働生産性が1947年来の大幅低下となったほか、新規失業保険申請件数が予想外に増加したことなどを受けて下落しています。6日は、米国雇用統計が堅調な動きとなる中、FRBがインフレ抑制へ積極的な対応を強いられるとの懸念が重しとなりました。
市場の不透明感を反映するとされるVIX指数(恐怖指数とも呼ばれる)も、FOMC前の高い値(不透明感が高いと市場関係者が認識している状況)から、FOMC直後には落ち着いたものの、5日には再び上昇しました。これは、FRBによるインフレ対策が、経済停滞を招かずにうまくコントロールできるのか市場が判別しかねている状況を示しているものと考えられます。
このような状況下で私たちはどう行動すべきか
このような不透明感の強い環境において、投資家はどう行動すべきでしょうか。投資の原則は二つあると考えられます。
投資機能/投資資産の分散
投資タイミングの分散(積立)
1つ目、投資機能と投資資産の分散について、THEOのポートフォリオは、長期的に高いリターン獲得を目指す株式を中心とした「グロース・ポートフォリオ」、リスクを抑え安定的かつ着実なリターンの獲得を目指す債券を中心とした「インカム・ポートフォリオ」、物価変動から資産価値を守ることを目指す「インフレヘッジ・ポートフォリオ」という3つの機能ポートフォリオを組み合わせ、投資資産を広く分散させています。
インフレ高進が叫ばれる中、THEOの「インフレヘッジ・ポートフォリオ」がどのような役割を担っているかについては、以下のブログでもご説明していますので、ご参考にしてください。
また、投資の原則の2つ目で紹介した投資タイミングの分散(=積立投資)も重要です。
THEOのユーザーで積立を行っている方は現在6割を超えていますが、積立投資は、長期で資産運用を行う際に私たちの強い味方になってくれます。
資産価格というのは、長い時間をかけて、上がったり下がったりを繰り返しながら成長していきます。
もし一定の金額を毎月積み立てていくのであれば、ある時には価格が下がったタイミングで買うことが出来るかもしれません。一方で、ある時には価格が上がってしまったタイミングで買うかもしれません。下がったタイミングで買えるのであれば、安く、たくさん買えます。一方で、上がってしまったタイミングであれば、高く買うので、少なく買うことになります。
こうして、価格の上がっているときも下がっているときも同じ金額で、決まったサイクルで買い続けることで、購入時の金額を平準化することができ、投資のタイミングによるリスクを分散させることができるのです。
長い時間を掛けて成長していくのであれば、「積み立て」を使って「安いときはたくさん」「高いときは少なく」買い続けることで着実に資産を形成していくことができるのです。
このように市場の不透明感が大きい時ほど、「投資機能/投資資産の分散」と「投資タイミングの分散(積立)」二つの分散を維持しながら、長期的な資産形成を行っていきましょう。
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