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日本の資産運用の実態 #THEOの生まれた背景

THEOの運営会社「お金のデザイン」は2013年に設立され、2016年にフィンテックサービスの先駆けとして、ロボアドバイザーTHEOをリリースしました。
「THEOの生まれた背景」として、まずは私たちを取り巻く環境について、こちらのブログでご紹介しました。

今回は、日本の資産運用の実態とニーズ、そしてTHEOはどういう想いで生み出されたのかをお届けします。

※このブログは2016年発行 お金のデザイン 著「ロボアドバイザーの資産運用革命」(一般財団法人金融財政事情研究会) を原案としています。

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日本の資産運用の実態は?

ロボアドバイザーによるおまかせ資産運用THEO[テオ]。サービスが生まれた背景には、日本の資産運用の現状と実態がありました。

日本の個人投資家は、投資に関して保守的で非効率と言われることもあります。しかし歴史的に見ると、実は賢い選択をしていると言えるのではないでしょうか。

例えば、バブル期(1990年前後)の日本の家計部門の資産を見てみると、多くの個人が「不動産」を売り金融資産を保有しています。企業は不動産を買いましたが、財務健全性が失われバブルは崩壊してしまいました。この時不動産を売った個人の選択は賢明だったと言えます。
また、バブル崩壊後に個人が保有したのは「現金」「預貯金」でした。その後20年間、円高が続き株式市場も低迷したことを考えると、こちらも賢い行動だったと言えるのではないでしょうか。

現在はどうでしょうか。日本の人口は2008年をピークに減少を続けています。人口動態の変化という環境の大きな変化は、日本経済の成長鈍化につながっていると言えるでしょう。また2012年ごろから円安が進んでいます。このことは、資産を形式的に守る(元本を維持)時代から、資産を実質的に守る(購買力の維持)すなわち「資産運用」の時代に入ったことを意味するのではないでしょうか。

日本の個人の金融資産の現状について見ていきましょう。
金融庁「家計の安定的な資産形成について(2018年1月)」に掲載されている各国の家系金融資産の構成比を見てみると、日本人の金融資産のうちの現金の割合は51.7%で、米国の13.7%、英国の24.0%に対してかなり多くなっています。その代わり株式・投信投資の割合は、米国が46.2%、英国が37.5%なのに比べ日本は18.6%とかなり低い水準であることがわかります。
日本人は資産を預貯金で保有し、投資には回していないということを表しています。

家計金融資産推移

ではその結果、各国の金融資産の推移はどうなったでしょうか。金融庁「家計の安定的な資産形成について(2018年1月)」によれば、1995年からの約20年間でアメリカでは3.32倍、イギリスでは2.46倍に金融資産が増えています。対する日本は1.54倍にとどまっています。

金融資産推移

積極的に投資を行っていた各国と比べて、預貯金で資産を保有していた日本は大きな差をつけられてしまっています。

日本人の金融資産におけるリスク

もう一つ、日本人にとって大きなリスクと言えることがあります。個人の外貨資産の比率が2.4%しかないということです。それは、日本の個人金融資産の97.6%が「円資産」だということを意味しています(個人金融資産動向:2021年第1四半期(野村資本市場研究所論文より))。
これは、日本人が日本経済に対して絶大な信頼を感じているからこそとりうる選択ですが、日本経済はそれほどまでに信頼できる環境でしょうか?

これは、投資の世界では「ホームアセットバイアス(ホームカントリーバイアス)」といいます。詳しくはこちらの加藤康之教授のブログを読んでいただくとお分かりになると思いますが、簡単に言うと「投資家が、自分の国の資産に必要以上に投資をしてしまう状態」のことです。日本人の場合、現金であれば「日本円」株であれば「日本株」を多く保有してしまっているということです。
ホームアセットバイアスは何が問題なのでしょうか。それは「高いリスクを伴う」ということです。前回までのブログでもお伝えしたとおり、日本は大きな環境の変化とそれに伴ったリスクを抱えています。超高齢化が進み、生産人口が減っていくなかで、日本に偏った投資をしていると日本経済の浮き沈みに非常に大きな影響を受けてしまうのです。日本に住み、日本の企業に勤めている方はさらにリスクは高まります。

もし、日本経済が世界の中でも相対的に高い成長を将来期待できると考えるのであれば、ホームアセットバイアスは一つの選択肢になるでしょう。しかし、将来のことは分からないと考えるのであれば、ホームアセットバイアスは正しい選択とは言えません。
ー2020年1月公開 なぜホームアセットバイアスは問題なのか?

本来の資産形成のあるべき姿は、いまどこに住んでいても、同じ生活水準を保てる金融資産を構築するということではないでしょうか。

それこそが「国際分散投資」という私たちの運用の中心にある考え方です。

誰でも「国際分散投資」ができるように

どこに住んでいても同じ生活水準を保つためには、日本だけに投資するのではなく「地球全体に投資する」ことが必要です。あらゆるものを対象に分散して投資を行うのです。

THEOは、最大30種類以上のETF(上場投資信託)に分散投資をしています。

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※上の画像はイメージです。

投資先は世界86の国・地域にわたり「地域の分散」を行っています。また、株式だけでなく債券、金や銀などの実物資産、不動産などに関連するETFを組み入れ「資産の分散」を行い(この多様な資産のことを「アセットクラス」と言います)、投資対象は最終的には11,000銘柄以上になり、徹底的な分散投資を行っています。

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投資の経験者からすれば常識と言えることではありますが、「分散投資」は資産を保全するためには必要なものです。投資先が分散されていれば、ある銘柄・地域(国)が下落したときにも他の銘柄・地域(国)でカバーできるからです。

以前はこのような幅広い国際分散投資は、個人には敷居の高いものでした。多くの資産を持った富裕層だけが、高い手数料を払い、ファンドマネジャーにお金を預けて国際分散投資を行うことができたのです。THEOの運営会社お金のデザインは、まさにこの一部の人や企業しか受けられなかった国際分散投資のサービスを誰でも、少額から、テクノロジーの力でできるようにしたい、という思いからスタートしています。

以下はお金のデザインのHPに記載されている文章です。

これからの100年は、今までの100年の延長ではありません。
人口の減少、超高齢化社会、円安・インフレなど、これまで経験したことのない社会変化が続く時代、人はより創造的に生きることが求められています。
私たちは、「お金」を通じて、一人ひとりが自分らしく生きることを応援したい。
金融工学とテクノロジーを駆使することで、お金を、将来の不安要素から新たな世界につながる可能性へと変えてゆく。
これまであたり前とされてきた円預金ではなく、グローバルに開かれた資産運用をすべての人に。

資産価値の保全のために運用をしようと思っても、それぞれ仕事などやりたいこと・やらなければならないことがたくさんあるため、将来の資産形成のために割ける時間はあまりとれない方が多いのではないでしょうか。
自分でできないならば、人に任せるしかありませんが、個人の資産において、人に任せる運用(投資一任運用)はまだまだ日本では定着しているとはいえません。

このような、個別のニーズに合わせた資産形成を、お客さまの手を煩わせることなく、長期的な信頼関係を築きながら提供していくことが日本人の資産形成に必要ではないかと考え、THEOというサービスは生まれたのです。

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株式会社お金のデザイン
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2796号
加入協会:一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人投資信託協会
リスク・手数料の詳細はこちら

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