【2024年10月】おまかせ資産運用THEO[テオ]マンスリーレポート
THEOは、定期的に機能ポートフォリオに組入れているETFやその配分を見直す「リアロケーション」を行います。また、お客さまのポートフォリオと目標値との乖離を修正する「リバランス」も行っています。これらはTHEOの自動運用の主な機能です。
毎月お届けする本レポートでは、その月の市況および運用状況、ならびに月初に行ったリアロケーションについてお届けします。
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最高投資責任者による10月の振り返り
10月の金融市場は、政治的不透明感と金利見通しへの懸念から大半が下落しました。多くの投資家は、接戦が予想される米大統領選や、選挙結果をめぐる論争の可能性を懸念しました。また、トランプ氏が勝利した場合、米国政府の財政赤字が膨らみ、インフレが進行するリスクも懸念されました。加えて、米国の経済指標が比較的堅調であったことから、11月に25bpを上回る利下げが行われるとの期待が薄れました。
こうした懸念の結果、10月は米ドルが上昇し、ほとんどの株式・債券市場が下落しました。コモディティ市場は比較的堅調で、金は月間でプラスとなりました。
米国の選挙は決着したものの、米国の政策見通しやトランプ政権が世界政治に与える影響には不透明感が残ります。このような投資環境においては、徹底的な分散投資と長期的な見通しが必要と考えます。
各機能ポートフォリオの月間運用状況
1.グロース・ポートフォリオ
3つの機能ポートフォリオのうち、長期的に高い成長を目指す、株式を中心として組み入れているグロース・ポートフォリオは米ドルベースで -2.19%、円ベースでは +3.53%となりました。
10月の世界株式市場は、まちまちな内容となりましたが、全体としては下落しました。米国株式市場は、月前半は堅調な経済指標などを受けて米景気のソフトランディングへの期待が高まり株価は上昇しました。しかし、下旬には米大統領選への警戒感などから軟調な展開となり、前月末対比で株価は下落しました。欧州株式市場は、ECB(欧州中央銀行)が前月に引き続き2か月連続で利下げを決定したことなどを受けて月前半は底堅い推移となりました。月後半は軟調な企業業績見通しから景気先行き不安が高まり下落しました。日本の株式市場は、月前半は米国株式につれて上昇しました。月後半はオランダの大手半導体関連企業の決算が軟調であったことや衆院選への警戒感から下落しました。月末には衆院選で与党が過半数割れとなったものの、政権交代に至らないとの見方から反発し、前月末対比で株価は上昇しました。中国株式市場は、9月末に政府が発表した景気刺激策などを受けて月初は上昇しましたが、国慶節(10/1~10/7)が明けると利益確定売りが強まり大きく下落しました。
為替市場では、堅調な米経済指標を背景にFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ観測が後退したことや、石破首相が日銀の追加利上げに否定的な発言をしたことなどを受けて、円安ドル高となりました。
この為替の効果がポートフォリオの円ベースパフォーマンスにプラス寄与となりました。
米ドルベースで見た地域別の寄与度では、米国株式が -0.63%、欧州株式が -0.75%、日本株式が -0.37%となりました。
米国株式の中では大型バリュー株式が比較的大きなマイナス寄与となっています。新興国株式もマイナス寄与となりました。(寄与度は米ドルベース)
11月に入ってからリアロケーションを行い、米国中型成長株式や米国中型バリュー株式などの比率を下げて、米国大型成長株式や米国大型バリュー株式などの比率を上げる比率調整を行いました。
「THEOグリーン」のグロース・ポートフォリオ
グロース・ポートフォリオのグリーン(ESG関連銘柄)は米ドルベースで -2.49%、円ベースでは +3.22%となりました。
10月の世界株式市場は、全体として軟調な推移となりました。米国では概ね堅調な経済指標が発表されましたが、利下げ期待が後退し金利が上昇したことや、半導体関連企業の業績懸念、大統領選挙をめぐる不透明感などから買いが手控えられました。欧州も総じて軟調だったほか、9月下旬に大幅上昇した中国株も下落しました。日本株は為替が円安となったことなどから月次で上昇しています。
為替市場では、堅調な米経済指標を背景にFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ観測が後退したことや、石破首相が日銀の追加利上げに否定的な発言をしたことなどを受けて、円安ドル高となりました。
この為替の効果がポートフォリオの円ベースパフォーマンスにプラス寄与となりました。
このような市場環境の中、ポートフォリオで組み入れているESGに着目したETFのパフォーマンスに対する寄与度では、北米を除く先進国株式や新興国株式などが比較的大きなマイナスとなりました。(寄与度は米ドルベース)
11月に入ってからリアロケーションを行い、ポートフォリオ全体のリスクコントロールの観点から、主に米国株式のETFの組み入れ比率を調整しました。
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2.インカム・ポートフォリオ
安定した資産成長を目指すため債券を中心に組み入れているインカム・ポートフォリオは米ドルベースで -1.75%、円ベースでは +4.00%となりました。
10月の米国債券市場は、堅調な米経済指標を背景にFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ観測が後退しました。また、米大統領選においてインフレ的な政策を掲げるトランプ氏が優勢との見方が強まり、米長期金利は上昇しました。欧州においては、ECB(欧州中央銀行)が前月に引き続き2か月連続で利下げを決定しましたが、金利の低下幅は限定的となり、米金利につれて上昇しました。日本においては、月前半は米金利の上昇に伴って国内長期金利は上昇し、その後は小幅に推移しました。
為替市場では、堅調な米経済指標を背景にFRBによる利下げ観測が後退したことや、石破首相が日銀の追加利上げに否定的な発言をしたことなどを受けて、円安ドル高となりました。
この為替の効果がポートフォリオの円ベースパフォーマンスにプラス寄与となりました。
このような市場環境のなか、ポートフォリオで保有するETFのパフォーマンスへの寄与度は、米ドル建て投資適格社債や米ドル建てモーゲージ証券が比較的大きなマイナスとなりました。(寄与度は米ドルベース)
11月に入ってからのリアロケーションによるポートフォリオの変更はありません。
3.インフレヘッジ・ポートフォリオ
物価変動による影響から資産を守る目的のインフレヘッジ・ポートフォリオは米ドルベースで -1.19%、円ベースでは +4.59%となりました。
10月の不動産関連株式は、米国、欧州、日本などで長期金利が上昇したことなどから軟調に推移しました。エネルギー関連株式は、イスラエルとイランの間の緊張が高まったことなどを背景に原油価格が値動きの荒い展開となりましたが、月次では若干のプラスとなりました。貴金属価格は、中東で地政学的リスクへの懸念が高まったことや、米大統領選挙が接戦となっていることなどを受けてリスク回避的な資金が流入し、堅調に推移しました。
為替市場では、堅調な米経済指標を背景にFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ観測が後退したことや、石破首相が日銀の追加利上げに否定的な発言をしたことなどを受けて、円安ドル高となりました。
この為替の効果がポートフォリオの円ベースパフォーマンスにプラス寄与となりました。
このような環境下で、ポートフォリオのパフォーマンスに対するETFの寄与度では、金ETFはプラス寄与となったものの、米国不動産関連株式が比較的大きなマイナスとなりました。(寄与度は米ドルベース)
インフレヘッジ・ポートフォリオの参照指数である輸入物価指数は前月比+3.0%となっています。
11月に入ってからリアロケーションを行いましたが、ETFの組み入れ比率に大きな変更はありませんでした。
累積収益率
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