2022年のパフォーマンス総括(前編)
2022年末に、1年の振り返りとして「世界経済とパンデミックがTHEOに与えた影響は?」という記事をお届けしました。
2022年の金融市場は、インフレや金利といった大規模なマクロ経済要因に加え、コロナウイルスのパンデミックの影響が続き、株式市場などが不安定になることの多い年だったと言えるでしょう。
お客さまからも「THEOで運用を継続しているけど、元本割れが続いているので不安だ」という声をお寄せいただくこともありました。
このように相場が不安定な時期は元本割れしない定期預金などで保有していた方がよいのでしょうか?
また、この先運用を継続していくのは、長期の資産形成にとってマイナスの影響を与えることになるのでしょうか?
今回は、前・後編に分けて上記の2点に対する考え方をお伝えしていきます。
前編では、2022年のリターンの推移をみていただき、通貨を分散させることの意義についてご説明します。
後編では、期待したほどパフォーマンスが出ないときの考え方と行動についてお届けしていきます。
2022年 THEOのリターンの推移
まず最初に、2022年1月~12月のTHEOの各機能ポートフォリオごとの月次リターンをご覧ください。(下記グラフ①②)
THEOはグロース(株式中心)、インカム(債券中心)、インフレヘッジ(実物資産中心)という3つの目的をもつポートフォリオを、お客さまごとに合った割合の組み合わせでご提供していますので、お客さまによってリターンは異なります。
【①各ポートフォリオごとのドル建てリターン(2022年月次推移)】
【②各ポートフォリオごとの円建てリターン(2022年月次推移)】
ドル建てと円建てでリターンの動きが異なるのは、円建ての場合には為替レートの影響を受けているためです。
円建てで見ると、グロースおよびインカムは年間でマイナスになっているものの、インフレヘッジはプラスになるなど、資産の分散、機能の分散を図る意義も見てとれるでしょう。
通貨を分散させることの意義
2022年は、対米ドルの為替レートが30円以上も変動があった一年でした。
普段から金融に馴染みのない方でも、輸入物価の上昇や電気代の高騰などで円安の進行を実感された方も多かったことと思います。
円安の進行によって円の価値は相対的に下がります。日本円だけを保有していた場合は、購買力が下がったことになります。(これまで100円持っていれば購入していたものが、130円になると購入できなくなる、ということです)
THEOでは、日本円だけで資産を持つリスクについて繰り返しお伝えしてきました。(参考:日本円だけで資産を持つリスク、今の日本には世界への分散投資が必要だ!)
円安によって物価が上昇し、これまで購入できたものが購入できなくなる(または購入を躊躇するようになる)という経験をすると、日本円のみで資産を持つことのリスクを改めて感じられたのではないでしょうか。
THEOは、資産や通貨を分散することでリスクを分散し、バランスを取りながら時間をかけて資産形成していただくためのサービスです。
資産運用を始めて運用成績を日々眺めていると、日々の値動きや相場の変動に一喜一憂しがちです。1年を通じて思ったように収益が出ていないと、不安に感じる方も多くいらっしゃいます。
しかしながら、1年というのは、資産運用の成果を判断するのに充分な時間ではありません。
世界経済は時間をかけて右肩上がりで成長しています(過去の世界の株式相場の推移 下記グラフ③参照)。
右肩上がりといっても、リーマンショックやコロナショックなど特定の期間を見ると相場が下がっていた時期もあります。
将来に向けて長期的に資産形成をされるのであれば、一時的な相場の変動を見て、資産運用をやめてしまったり出金を繰り返すのはおすすめできません。
【③過去の世界の株式相場の推移】
冒頭で述べた2つの疑問
「このような時期は元本割れしない定期預金などで保有していた方がよかったのでしょうか?」
「この先運用を継続していくのは、長期の資産形成にとってマイナスの影響を与えることになるのでしょうか?」
これに対しては、資産運用は数か月~1年という短期で評価せず、長期の視点で資産運用を継続するということが賢い選択ではないでしょうか。
THEOは、資産運用に関する意思決定(商品選択、売買、メンテナンス)をすべてプロにおまかせできるサービスです。
投資を始めるきっかけは人それぞれですが、少しでも早く始め、長く続けることが大切です。
ブログを通じて繰り返しお伝えしている投資の基本「長期・分散・積立」を、誰でも気軽に始めて続けることができるのが、THEOのようなおまかせ資産運用のサービスです。
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THEOの運用については、「THEOの仕組み」をご覧ください。
運用方針、運用モデルについて、詳しくは「THEOホワイトペーパー」をご参照ください。