円安の影響と国際分散投資のメリット
新聞やテレビのニュースなどで「円安」「超円安」という報道を目にされることも多いのではないでしょうか。
なぜ、円安が進んでいるのでしょうか。また円安になった場合私たちの資産運用にはどのような影響があるのでしょうか。今回のコラムは、円安をテーマにお届けします。
なぜ「円安」になっているの?
為替レートに影響を与える要因は非常にたくさんありますが、最近の円安の大きな原因としては、日本銀行と主要各国(特に米国)の中央銀行の金融政策の違いと、原油価格の急騰などを背景とした外貨需要の増加(貿易赤字)の二つがあげられます。
中央銀行の金融政策の違いについては、例えば米国のFRB(連邦準備理事会)は、インフレの進行を受けて3月から利上げを開始し、段階的に金利を引き上げていますが、その一方で、日本銀行は景気への配慮から利上げには慎重です。また、米国は、いわゆる量的緩和策として増やしてきた金融資産も徐々に縮小する段階に入っていますが、日本は金融緩和策を継続しています。
このような日米の中央銀行の政策スタンスの違いから、日本と米国の金利差が拡大しており、金利が高い米ドルが買われる(ドル高・円安になる)かたちとなっています。
また、ロシアへの経済制裁などの影響により、エネルギーや農産物の価格が高騰していることなどから、最近は日本が外国からモノを買う金額が、外国に売る金額を上回っています(貿易収支が赤字)。外国からモノを買うためには外貨が必要ですので、円を売って外貨を買うことになり、それが円安の要因となっています。
「円安」になると資産運用するうえでどういった影響がある?
円安とは、日本円の価値がドルやユーロなどの外貨と比べて相対的に低くなっている状態のことを言います。
日本円の価値が下がると、海外旅行をする方にとっては「旅費が高くなる」「旅行先で何をするにも高額になってしまう」など、デメリットとなることはご存知の方も多いでしょう。
THEOは、お客さまが日本円で入金した資金をドルに為替交換した上で取引をおこないます。そのため、円安の今は、為替交換においては不利であると言えます。
一方、THEOが投資しているのは米国市場に上場しているETFであるため、円安によって外貨の価値が高まると(為替差益と言います)、日本居住者の外国資産投資のリターンという視点から見ればプラスとなります。
THEOで資産運用をする場合の円安のメリット、デメリットをまとめると以下のようになります。
■メリット
収益のプラス要因となります(THEOの日本円での評価額にプラスの効果があります)
■デメリット
円安が進むと、以前と比較して不利な交換レートでドルに為替交換しなければならなくなります。
為替は過去の動きを見ても、この先どのような動きをするかを予測をすることは非常に難しいものです(過去10年の対米ドルのグラフを参照)
今後、更に円安が進むかもしれませんし、円高になる可能性もあります。為替や相場の動きを先読みし、投資のタイミングを判断することはファンドマネージャーのようなプロにとっても非常に困難なことです。
そのため、投資のタイミングを自分で判断せず、毎月コツコツと決まったタイミングで積立することで時期的なタイミングを分散し、為替のリスクを分散することがよい方法といえるのではないでしょうか。
【THEOの豆知識】
THEOの為替交換は、インターバンク市場のレートで交換しており、その際にかかる為替手数料はTHEOで負担しています。
このことも、お客さまにとってはTHEOを利用していただくメリットのひとつといえます。
大切なのは、円以外の資産への分散投資
多くの日本人は自分の資産を、現金や預金の円資産で持っていることが多いでしょう。日本銀行が2021年8月に公表した資料※によると、日本の家計における「現金・預金」の割合は54.3%で半数を超えています。実際に、その方法が、資産を保全するうえで安心だと考える人は多いでしょう。(参考:米国では「現金・預金」の割合は13.3%にすぎません)
しかし、今回の円安や、インフレのように大きなイベントが起きて円の価値が下がってしまうと円で資産を保有していても、実質的な資産の価値は減っていってしまうのだということを考えることも必要ではないでしょうか。
※日本銀行「資金循環の日米欧比較」
THEOは、ご自身の資産を円で預金されている多くの方々に、「世界の資産に投資すること」によりリスクを分散させながら資産形成を行うサービスを提供することで、将来のお金に対する不安を解消したいという想いからスタートしています。
こちらのブログでは、創業者がその想いについて語っています。興味のある方はぜひご覧ください。
THEOが行っている「グローバル分散投資」は、テクノロジーの力で世界中のあらゆる資産に分散投資することで、自国の通貨だけを持っていることによるリスクを軽減させることができます。
具体的には、THEOは最大30種類のETF(上場投資信託)を組み合わせ、世界中の株式、債券、実物資産(金・銀など)に対して投資を行っているのです。
また、先に述べたように積立を行うことで、投資の時期の分散ができ、投資のタイミングという上でもリスク分散を行うことができます。
自分の資産を守るのは、自分自身です。ぜひ分散投資を取り入れて、今後の長期の資産形成に生かしてみてはいかがでしょうか。
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THEOの運用については、「THEOの仕組み」をご覧ください。
運用方針、運用モデルについて、詳しくは「THEOホワイトペーパー」をご参照ください。