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資産運用コラム

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投資経験がない方でも「お金」や「資産運用」とどのように向き合えば良いかが、分かるようになる。
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#投資

「ひとが投資をすることとは」

前回のブログで触れたことですが、8月の株価の急落を目のあたりにし、株式・債券、更にグローバル投資では避けられない為替リスクを負ってまで、なぜ個人がリスクのある資産で資産形成をしなければならないのだろうと疑問に感じられた方も多いのではないかと思った次第です。 「ひとが投資をするとはどういうことか」をお金のデザイン研究所と京都大學哲学科による共同研究[1]を2021年より進めておりますが、今年の8月に、預金での資産形成と投資による資産形成とは何が違うのだろうかということがテーマ

相場が急落した2024年8月、どのくらい出金された?

2024年7月後半から8月初旬にかけて、株式市場が下落、為替も大きく変動しました。 8月5日には、日経平均株価が歴史的な急落を記録しブラックマンデー超えの歴史的急落となりました。 売りが売りをよぶパニック相場となり、下げ幅が拡大しました。 THEOを利用されているお客さまも、このまま運用を続けて大丈夫だろうかと不安に思われた方も少なくないと思います。 THEOをご利用されている方の多くは長期で資産運用をお考えの方が多く、このような状況でも落ち着いた対応をされていました。

市場が回復基調の時、THEOのお客さまはどう行動している?(アンケート結果発表)

2024年7月後半から8月初旬にかけて、株式市場が下落、為替も大きく変動するなど、相場が不安定となりましたが、その後、日経平均株価は10月15日には4万円台に回復し市場は回復基調となっています。 こんな時どうしたら良いのか?みんなはどのような行動をとるのか?など気になった方もいらっしゃると思います。 アンケートの結果THEOをご利用のお客さまへの緊急アンケートを実施しました。 アンケートでは、「市場が回復基調のとき、どのように行動しますか?」という問いに対し、4つの選択肢

創業者メッセージ#1「私がお金とかかわったきっかけ」

はじめに はじめまして、株式会社お金のデザイン、取締役副会長の廣瀬です。 2000年に入り、気候変動・パンデミック・政治的緊張・戦争・テロなどが世界各地で発生し、社会的な不安が高まってきています。これからの私たちはどうすればよいのだろうかと、頭を悩ますことが増えてきたように思います。また当たり前だと思っていたことが、実はそうではないことを分かった時の不安や、過去自分がとった説明のつかない行動についての後悔、それがその後の生活/人生にどう影響したのか、更には私にとって、お金の

暴落が起こっても長期投資家が株を売らない理由

本年8月初めに日経平均株価は史上最大の下げ幅(下げ率の大きさで2番目)を記録しました。投資を始めたばかりの初心者の方はこの暴落に驚いたかもしれません。さて、この暴落の直後、不安になった一部の投資家があわてて株式を売却したようです。 一方、年金基金など長期投資を行っている機関投資家のほとんどは株式を売却しませんでした。それどころか、彼らの多くは暴落後に株式を買っています。それは相場観でも何でもなくルールになっているからです。(これについては後ほど説明します。)本稿では、市場が

相場が不安定な時はどのように行動したらいい?

VIX指数と世界株式の推移昨日のブログでもご案内の通り、8月2日に発表された米国雇用統計が、弱かったことなどから米国経済への懸念が広がり、週明けの日経平均株価指数は4,451円(12.4%)安となりました。この株安は、日本時間夕方から始まった欧州市場、米国市場にも引き継がれ、イギリスの株価指数(FTSE100指数)は2.0%安、米国の株価指数(S&P500指数)は、3.0%安となりました。市場の不安心理を反映するといわれるシカゴ・オプション取引所のボラティリティ指数(VIX

日経平均株価の急落から見る分散投資の重要性について

日経平均株価の急落8月2日(金)の東京株式市場では、日経平均株価が急落し、2,216円(5.8%)安の3万5,909円の終値をつけ、また、本日(8月5日)も、その動きが継続し、さらに4,451円(12.4%)安の3万1458円と更に大きく下落して終了しています。この急落の主な要因としては、①円高の進行と②アメリカ経済の懸念があげられます。 要因①円高の進行 日本銀行は7月31日まで開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.25%程度に引き上げる追加利上げを決めました。一方

先週からの市場の変動とTHEOの分散投資の重要性について

先週からの市場の変動について株式市場は、本年は7月中旬まで、4月を除き、比較的順調に推移してきました。しかし、バイデン政権が中国に対して貿易制限を検討しているとの7月17日の報道などを契機に、半導体関連銘柄などが大きく売られ、また、24日においては、電気自動車大手のテスラ社やグーグルの親会社であるアルファベット社の四半期決算が市場の期待に届かなかったことなどから、さらに株式市場は下落しました。年初から7月16日まで、S&P500種株価指数は、18.8%のリターンを記録してお

THEOで運用を続けて資産を増やしていくためには?

THEOは、お客さま一人ひとりのライフステージに合わせて最適な資産配分を提案する「一生涯おまかせできる資産運用サービス」です。 THEOに資産運用をおまかせいただき、時間をかけて資産を増やしていくためには、まとまった金額を入金する以外にも、積立や追加入金によって運用金額を増やしていくことはとても重要です。 追加入金をする際、「クイック入金」や「銀行振込」等の方法で追加入金していただくという方法もありますが、忙しい方やいつ入金するのが良いか迷ってしまう方には、「積立入金」

インフレに強い資産とは?~インフレ下で注目したい資産運用~

コロナショックによる混乱から世界的なインフレの波がやってきました。 足元では、インフレ率が落ち着いている状況ではありますが、今後、インフレが簡単に落ち着かなかった場合に備えることが重要です。 お金のデザインでは、インフレ対応が資産形成において重要であると考えています。   一方で、ここ数年の物価高で多くの方が実感されているのではないかと思いますが、このインフレへの耐性度というのは、年齢とともに低下していきます。 特に、リタイヤされているお客さまは、給与という安定的なキャッシ

先週末からの市場の変動とTHEOの分散投資の重要性について

先週末から複数の米国の銀行が破綻し、また、今週に入り欧州においてはスイス大手金融グループであるクレディ・スイス・グループの経営不安が強まるなどから、市場の変動が大きくなっています。 米国の状況について米カリフォルニア州の銀行規制当局は10日、米金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレー銀行を閉鎖しました。また、12日には、暗号資産企業を多く顧客として抱えるシグニチャー銀行もニューヨーク州金融サービス局により事業停止とされました。 これらを受けて米金

お金のデザインの投資信託について

お金のデザインでは、投資一任サービスのTHEOの運用だけではなく、投資信託の運用も行っています。 では、お金のデザインが運用している投資信託とは一体どのようなものなのでしょうか。当ブログではその内容をご紹介します。 投資信託とTHEOの違い 一般的に投資信託は、投資家が自分で投資したい対象に合った商品を選び投資します。どういった投資対象に投資をしたいかが決まっている方に活用いただくのにおすすめです。一方で、THEOのような投資一任サービスは、どういう投資対象を、どういった

第2フェーズを迎えたESG投資とその課題-前編- ESG投資とサステナビリティ経営

本記事は、お金のデザイン研究所所長、京都先端科学大学教授/京都大学客員教授/東京都立大学特任教授の加藤康之氏による寄稿記事です。 資産運用の世界では相変わらずESG投資が注目されています。日本でESG投資が注目を浴び始めたのは2017年でした。それは公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資をスタートした年です。それから5年が経過し、ESG投資も第2フェーズに入ったと思われます。 そこで、本稿では第2フェーズでは何が変わったのか、そして、どん

緊迫するウクライナ情勢 投資家はどう行動すべきか 「市場の変動とリバランスの効果」

ロシアのウクライナへの侵攻により、金融市場は動揺しています。当面、資産価格の変動性は高まることを覚悟しておいた方が良さそうです。怖いので投資資産をすべて売ってしまいたいとお考えの方もいるかもしれません。しかし、それでは長期投資の観点で大きな機会を逃すことになることは過去の歴史が繰り返し教えています。 それでは長期投資家はどう考えればいいのでしょうか。今回は、このような状況における投資家の対応法について考えてみましょう。 ・・・ 「平均回帰性」という市場の特性を理解する