【2024年11月】おまかせ資産運用THEO[テオ]マンスリーレポート
THEOは、定期的に機能ポートフォリオに組入れているETFやその配分を見直す「リアロケーション」を行います。また、お客さまのポートフォリオと目標値との乖離を修正する「リバランス」も行っています。これらはTHEOの自動運用の主な機能です。
毎月お届けする本レポートでは、その月の市況および運用状況、ならびに月初に行ったリアロケーションについてお届けします。
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最高投資責任者による11月の振り返り
11月の金融市場の動きの最大の要因は米大統領選の結果でした。共和党が大統領選挙と連邦議会選挙の両方に勝利したため、選挙による政治的不安は11月に急速に解消されました。しかし、トランプ次期大統領が提案する政策の詳細については依然として不透明な部分が多いです。減税の公約は経済成長にプラスとみられていますが、移民対策の強化や輸入関税引き上げなどの政策は人件費やインフレの上昇につながる可能性があります。
米国の株式市場は選挙結果に好反応を示しましたが、欧州、アジア、新興市場の多くの国では株価が下落しました。債券市場では、米国選挙直後に金利が上昇しましたが、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを行い、投資家がトランプ氏の政策実施の可能性や時期を再評価したため、月後半には低下しました。
為替市場では、トランプ氏の政策により米国の利下げペースが低下するとの期待から、米ドルが多くの通貨に対して上昇しました。ドル円も当初は円安でしたが、月後半には円高となりました。 仮想通貨は取引量の増加と米国の政策期待を受けて大幅に上昇しました。
商品市場では、地政学リスクの低下を受けて金が下落しましたが、エネルギー関連株や農産物は上昇しました。
米国の選挙を通過したことにより、市場から不確実性が多少取り除かれました。しかし、トランプ氏が提案した政策の詳細の多くは不明確であり、金融市場への長期的な影響は予測が難しい状況です。このような環境では、短期的な市場の動きに焦点を当てすぎることなく、分散投資を維持することが重要と考えます。
各機能ポートフォリオの月間運用状況
1.グロース・ポートフォリオ
3つの機能ポートフォリオのうち、長期的に高い成長を目指す、株式を中心として組み入れているグロース・ポートフォリオは米ドルベースで +3.51%、円ベースでは +1.94%となりました。
11月の世界株式市場は、まちまちな内容となりましたが、全体としては上昇しました。
米国株式市場は、トランプ次期大統領への政策期待などから上昇しました。欧州株式市場は、月前半は米大統領選において関税引き上げを政策に掲げるトランプ氏が当選したことを受けて軟調な展開となりましたが、月後半はECB(欧州中央銀行)による利下げ期待が高まったことなどを受けて上昇しました。日本の株式市場は、月前半は米大統領選の結果を受けて円安が進んだことなどから上昇しましたが、その後は軟調な展開となり、前月末対比で株価は下落しました。香港株式市場は、米中対立の悪化懸念などから下落しました。
為替市場では、月前半は米大統領選でインフレ的な政策を掲げるトランプ氏が勝利したことなどを受けて円安ドル高となり、ドル円レートが156円台になる場面もありました。月後半は日銀による追加利上げ観測の高まりなどから円高に転じ、前月末対比で円高ドル安となりました。
この為替の効果がポートフォリオの円ベースパフォーマンスにマイナス寄与となりました。
米ドルベースで見た地域別の寄与度では、米国株式が +3.87%、欧州株式が -0.22%、日本株式が +0.15%となりました。
米国株式の中では大型バリュー株式と大型グロース株式が比較的大きなプラス寄与となっています。新興国株式はマイナス寄与となりました。(寄与度は米ドルベース)
12月に入ってからリアロケーションを行い、米国中型成長株式や米国中型バリュー株式などの比率を下げて、米国大型成長株式や米国大型バリュー株式などの比率を上げる比率調整を行いました。
「THEOグリーン」のグロース・ポートフォリオ
グロース・ポートフォリオのグリーン(ESG関連銘柄)は米ドルベースで +4.04%、円ベースでは +2.46%となりました。
11月の世界株式市場は、米国や欧州の主要国などが上昇しましたが、日本や香港が下落するなど、地域によってまちまちな動きとなりました。米国では大統領選挙でトランプ氏が勝利し、議会も上院、下院ともに共和党が過半数を占める結果となったことなどから、トランプ氏が掲げる政策により恩恵を受けるとみられる業種を中心に上昇しました。一方で、米国以外の株式市場には米中の対立や関税の強化についての不透明感が広がりました。
為替市場では、月前半は米大統領選でインフレ的な政策を掲げるトランプ氏が勝利したことなどを受けて円安ドル高となり、ドル円レートが156円台になる場面もありました。月後半は日銀による追加利上げ観測の高まりなどから円高に転じ、前月末対比で円高ドル安となりました。
この為替の効果がポートフォリオの円ベースパフォーマンスにマイナス寄与となりました。
このような市場環境の中、ポートフォリオで組み入れているESGに着目したETFのパフォーマンスに対する寄与度では、米国株式がプラス寄与となりましたが、北米を除く先進国や新興国株式が若干のマイナスとなりました。(寄与度は米ドルベース)
12月に入ってからのリアロケーションによるポートフォリオの変更はありません。
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2.インカム・ポートフォリオ
安定した資産成長を目指すため債券を中心に組み入れているインカム・ポートフォリオは米ドルベースで +1.23%、円ベースでは -0.31%となりました。
11月の米国債券市場は、月前半はインフレ的な政策を掲げるトランプ氏が米大統領選で勝利したことなどを受けて金利は上昇しました。月後半は次期米財務長官に著名投資家のベッセント氏が指名されると、インフレ抑制期待の高まりなどから金利は大幅に低下し、前月末を下回る水準で月末を迎えました。欧州においては、上旬は米長期金利の上昇に伴って域内の金利も上昇しました。その後はユーロ圏経済の先行き懸念などを受けてECB(欧州中央銀行)による利下げ観測が高まり、域内の金利は低下しました。日本においては、米金利の上昇や日銀による追加利上げ観測が高まったことなどから金利は上昇しました。
為替市場では、月前半は米大統領選でインフレ的な政策を掲げるトランプ氏が勝利したことなどを受けて円安ドル高となり、ドル円レートが156円台になる場面もありました。月後半は日銀による追加利上げ観測の高まりなどから円高に転じ、前月末対比で円高ドル安となりました。
この為替の効果がポートフォリオの円ベースパフォーマンスにマイナス寄与となりました。
このような市場環境のなか、ポートフォリオで保有するETFのパフォーマンスへの寄与度は、米ドル建て投資適格社債や米ドル建てモーゲージ証券が比較的大きなプラスとなりました。(寄与度は米ドルベース)
12月に入ってからのリアロケーションによるポートフォリオの変更はありません。
3.インフレヘッジ・ポートフォリオ
物価変動による影響から資産を守る目的のインフレヘッジ・ポートフォリオは米ドルベースで +1.29%、円ベースでは -0.25%となりました。
11月の不動産関連株式は、米国では長期金利の低下などを受けて上昇しましたが、他の地域はまちまちな展開となりました。エネルギー関連株式は、前月に引き続いて原油価格が不安定な動きとなりましたが、米大統領選でトランプ氏が勝利したことなどを受けて米国のエネルギー関連株が上昇しました。貴金属価格は、接戦が予想されていた米大統領選挙が早期に決着すると利益確定売りなどで下落しました。その後、ウクライナ情勢の緊迫化など受けて上昇する場面もありましたが月次ではマイナスとなりました。
為替市場では、月前半は米大統領選でインフレ的な政策を掲げるトランプ氏が勝利したことなどを受けて円安ドル高となり、ドル円レートが156円台になる場面もありました。月後半は日銀による追加利上げ観測の高まりなどから円高に転じ、前月末対比で円高ドル安となりました。
この為替の効果がポートフォリオの円ベースパフォーマンスにマイナス寄与となりました。
このような環境下で、ポートフォリオのパフォーマンスに対するETFの寄与度では、米国不動産関連株式などがプラスとなった一方、金、銀などがマイナスとなりました。(寄与度は米ドルベース)
インフレヘッジ・ポートフォリオの参照指数である輸入物価指数は前月比+1.5%となっています。
12月に入ってからリアロケーションを行いましたが、ETFの組み入れ比率に大きな変更はありませんでした。
累積収益率
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